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本日開幕した児島の「SGボートレースクラシック」。強めの風が吹き付け9Rからは安定板が装着される水面コンディションとなり、万舟券が4本飛び出した。ただイン逃げは7本とSGらしいインの強さではあった。
このクラシックでSG初出場を果たしたのは福岡の江夏満。予備6位からの繰り上げ出場となったが、2016年一般戦V5を挙げた。そのV5のうち、4度の優勝は9月以降に達成しており、下半期から急激に調子を上げた。
江夏といえばスコーピオンターンの使い手として、本誌の2016年11月号でも紹介したことがある。スコーピオンターンというのは、江夏の同期の下河誉史によって生み出されたターンで、旋回の出口付近で左足をパーンと跳ね上げるターンのこと。見た目がサソリの尾を上げている姿に似ていることから、ファンの間でそう呼ばれはじめ、下河本人も気に入ってその名前が定着した。
昨年、話題になったこのターンだが、見た目からも、「危ないのではないか」という声が少なからず上がり、本人たちの耳にも届いていたという。しかし、そういう声が上がるのを承知していたからこそ、絶対に事故はできないという気持ちで取り組んでいる。
下河は勝つためにこのターンの研究を重ねて、精度を高めているというが、江夏は意味合いが少し違う。「このターンをやっているとファンの方の反応が凄いんです。入り待ちの時に『今回、スコーピオンをするの?』って聞かれて『しますよ』って返事をしたら、『じゃあ、本場に観に行くよ』って言ってくださる人もいるほど。なので、僕はファンへのアピールという意味合いの方が強いです」とのこと。
ただ、普段からひょうきんな性格でも知られるだけに、決してふざけてこのターンをしているわけではないことを示すためにも、より結果を求めるようになった。「スコーピオンターンをしたから負けたなんて言われるわけにはいかないですからね。だから余計に結果を出したいし、がんばろうと思っています」。
その結果がSG初出場につながった。スコーピオンターンは繰り出せるタイミングや条件が限られている。最近の江夏のレースを見ていても、水面状況が良くて、先頭で突き抜けた場合でしかやっていないようだ。今節はスコーピオンターンを全国へ発信するまたとない機会だが、そのタイミングがあるか注視したい。
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