酒井忠義の引退シリーズ

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現役登録選手としては3番目の古参レーサー・酒井忠義が、今日(19日)から始まった丸亀のデイリースポーツカップを最後に引退することになった。

歴の長いファンなら、酒井が四国を代表する巧腕レーサーとして鳴らした事をよく覚えているだろう。その2、3コースから繰り出す差しハンドルは絶品で、一流どころの選手としては遅い方とも言えたスタートをカバー、展開を的確に突くタイプだった。

デビューは1963年8月だから今年で選手生活50年目。実力者として台頭したのは早く、デビュー7年目にはダービーでSG初出場、また30~40歳代には記念戦線の常連として活躍した。SGでは81年浜名湖でのダービー、84年にも住之江のダービーで優出している(共に4着)。もっとも記念タイトルにはなかなか恵まれず「無冠の帝王」と呼ばれたものだが、1990年2月の四国地区選で43歳にして初のGIを制すると、同年5月の戸田34周年でも優勝した。

レースが急速にスピード化した90年台以降は変化に順応できるかどうかが懸念されたが、それは杞憂だった。ガリガリのイン屋ではなくコースに自在性があったのが幸いしてか、思いのほか“長持ち”して2500勝を達成。最近も成績を大幅に下げることなく安定、まさに“いぶし銀”という言葉がピッタリだった。

最後の優勝は07年6月の児島マクール杯。優勝戦前、スポーツ紙による「還暦Vへ」の記事には「恥ずかしいがな」と照れていたものの、若々しい走りで見事イン逃げのV。今となっては「これで終わりじゃな。表彰式までされて照れくさかったけど優勝できてホンマによかったわ」の言葉通りとなったが、その後も5回の優出を果たしているのはさすが。

最後のシリーズではどんなレースを見せてくれるのか、地元ファンのみならず注目したいところだ。なお丸亀では、最終日の11月24日、第5R発売中に同選手の引退セレモニーを開催するという。

酒井忠義の通算成績(11/18時点)

出走回数:11463走

1着回数:2545回

優勝回数:69回(優出294回)

記念成績:GI優勝2回

SG優出:2回