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6月といえば、5月からデビューが始まる新人選手たちのデビュー節の成績が出揃うころだ。今年の5月にデビューしたのは110期。ここ数年はデビュー新人たちの成績があまり振るわないことが話題になるが、やはり110期もその類に漏れなかったようで、全体の勝率は1.77、節間の1着数はわずか1本と、さびしい結果となった。その詳細な成績は本誌マクール8月号に掲載するのでご参照いただきたい。
さて、10年前の5月にデビューしたのは90期だった。90期といえば訓練中の1年間をすべてやまと学校で過ごした初めての期で「さて、やまと育ちたちの実力やいかに」と注目された選手たちだ。
結果からいうと、全体の勝率は2.21、さすがに1点台ということはなかったがそれ以前の期と比較すれば見劣りし、やはりこの期あたりからデビュー節の凋落傾向がはっきりとし始めたと言ってもいいかもしれない。ただ、1着数は5本で、以降の期では1本も1着が取れない期もあったことを考えれば、かなりましだったか。
とはいえ、全員がおしなべて低調だったかといえばもちろんそんなことはなく、4点台の勝率を残した選手も3人いた。長野壮志郎、森定晃史、萬正嗣だ。で、彼らがその後も同期で上位に居続けたかといえば、これまた当たり前だがそんなことはない。この3人はいずれも、4年目、または5年目にA級に上がっているものの、安定してA1級を維持しているわけではなく、今のところはA1、A2を行ったり来たりのエレベーター組にとどまっている。
その上を行くのは吉田拡郎、石野貴之、赤坂俊輔の3人で、今のところは彼らが90期の出世頭と言って間違い無いだろう。3人はいずれも2年目、または3年目にA級に上がり、そして少なくとも過去5年は安定してA1級を維持している。石野は07年に奪取した新鋭王座を含めGIタイトルは3つ、加えて一昨年のオーシャンカップを制し、堂々のSGホルダーに成長。また赤坂も一昨年に九州地区選でGIタイトルを獲得した。吉田も昨年津MB大賞を獲り、また今年の総理杯ではSG初優出して、3号艇で1番人気を背負って大いにファンを沸かせたのは記憶に新しい。吉田はデビュー節の1走目で1着を取っているので、ひょっとしたら強心臓の持ち主なのかもしれない。
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