奇をてらわず基本に忠実~西山光樹アナ~

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琵琶湖の実況アナウンサー二人目は、ベテランの西山光樹(にしやまみつき)アナを紹介しよう。

西山アナは小学校から放送部に所属する筋金入りのアナウンサー。大学卒業後からフリーアナウンサーとして活躍し、平成元年から現在に至るまで、およそ24年当地の実況席に座り続けている。

実況のウリは、スタートの瞬間。レースで最も緊張感が高まるこのシーンに力を込め、ファンが気になるタイミングもなるべく早く伝えるようにしているとのこと。たしかに、西山アナが担当の時には、「トップスタートは3号艇の三浦。コンマ10あたりのスタートです」と1Mに突入する前にアナウンスすることが多い。

実況にはいい意味で特長はない。選手に異名をつけたり、大げさな表現をすることはなく、あくまで基本に徹した喋りだ。「ペアボートに乗せてもらい、選手の大変さが分かりました。選手の仕事に敬意を表し、奇をてらわない基本に忠実な実況を目指しています」。

西山アナの思い出のレースは、98年3月の「GI秩父宮妃記念杯」(45周年)(※当時のびわこ周年は秩父宮妃記念杯が周年タイトルだった)。このレースは地元のエース山田豊と気鋭の中川俊介(現:守田)が、GI初優勝を狙って臨んだ。風が吹き、大荒れの水面コンディションで行われた優勝戦、地の利を生かして中川がレースの主導権を握り、山田が追走の展開。地元ワンツーで大勢が決したかに見えたが、最終コーナーで山田が渾身のツケマイを決め、大逆転優勝した。「こんなにドキドキハラハラしたレースはありません。実況していて、本当に手に汗を握っていました」。