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田口節子の連覇で幕を閉じた女子王座、勝者は華々しい祝福を受ける。レース後は表彰式、共同記者会見、テレビインタビューなどひっぱりだことなる。一方で、優勝者以外はレース終了後には、すぐに帰り支度をはじめひっそりとピットを去っていく。見ていると意外とさみしい光景だ。
優勝戦、最後まで葛藤したのが細川裕子だった。チルト3度にするのかしないのか。本人はレース直前にこう語った。「持ちペラ制で最後の大きな大会だから、チルト3度をやりたかったです。1回は絶対にやろうと思ってました。ただ、3度にしても全く伸びないんです。それどころか、3度にした方が伸びない…。これではやる意味がないです。ファンの方が(3度の)期待してるのも分かっているので、本当に申し訳ないと思ってます。だから、今はやれることを最後までしっかりやります。せめて自分らしい攻めるレースだけはできるように」と。結局、チルト3度を諦めた。そうとうに悩みぬいた末の苦渋の決断だったようだ。
結果は準優勝、初優出ならば上出来の結果と言っていい。レース内容も本人の納得するものだったはずだ。しかし、ピットに引き上げてきた細川の表情はどこか無念のようにも見えた。それはチルト3度の葛藤があったからかもしれない。確かに女子王座の優勝戦でチルト3度を見てみたかったファンも多かったことだろう。そんなファンの気持ちをくみとっていたからこその表情、そんな気もする。
細川の同期・廣中智紗衣も2走目の転覆で心が折れかけた。「地元なので絶対に準優出します」と内なる闘志を燃やしていただけに序盤でのアクシデントは、廣中に相当なショックを与えた。しかし、「これで終わっては申し訳ないので、なんとか1等を獲って地元のファンに応えないとダメですよね」と再度気合を入れ直して結局、節間4勝を挙げた。
準優漏れをした中で4勝はもちろんトップ。準優出した選手でも4勝以上は、田口節子、池田明美、横西奏恵、宇野弥生の4人。地元の意地を十分に見せたと言っていいが、本人は1着を獲れたうれしさよりも「ホッとしてます」というのが本音だったようだ。
また、地元代表としてこれ以上ない気合で臨んだ平田さやかは、レース足がまったくなく4日目を終えて④⑤⑤⑥⑤で、Fによる賞典除外者を除くとビリから2番目の得点率となってしまった。しかし、5日目1Rになんとか1着をあげた。ピットに引き上げてくるところで、すでに大泣き状態。平田にとってはGI初1着だが、これほど本人が泣いた水神祭りは見たことないほど…。それは嬉しさからではなく、とにかく地元としてどうしても1勝してファンに応えたかったからだ。節間ずっと自分の不甲斐なさに苦しんだ平田、やっとつかんだ1勝は安堵の涙でもあった。
大舞台、選手達は自身の力で出場をつかみとったのだから、自分のために走ればいい。そんな風にも思うのだが、ほとんどの選手は、ファンを意識しながら走る。ピット裏の敗者たちは、常にそんな葛藤と闘っているのだ。
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