野中一平
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スタートを武器に24年前期は自己最高勝率/野中一平インタビュー

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前期は自己最高勝率

自分としては調子が良かったなと思います。いつもはだいたい期始めにスタートダッシュに失敗して、悪い流れのまま期が進んでいくことが多いんですよね。でも、前期は最初からいいリズムで入れましたし、特に年明けになって優勝もできました。

それに3月に三国でフライングするまで、2年近くフライングをしていなかったんですよね。無事故で長く走れたのも良かったんだと思います。

フライングと言えば、2年半前に期が始まって2か月目にポンポンとF2をしてしまって…。あの時はまだ残りの期間も長かったので、そこでちょっと開き直ったというか気持ちを切り替えることができたんです。僕はスタートが武器だと自分でも思っているので、F2だからと早いスタートを控えるのではなく、「切らなければ大丈夫!」って強いメンタルでレースに臨んでいました。実際、平均STはF2後も極端に落ちるようなことはなかったんですよね。あの時にスタートに対するメンタルの強さをだいぶ鍛えることができたと思います。

F2でもスタートで遅れないという気持ちを持てたのと同時に、スタートだけじゃなくターンで勝てるようにならないといけないと考えるようにもなりました。当時はデビュー期なみに試運転をしていましたし…、F2をきっかけに成長できた面はあると思います。

そんなこともあってか、前期、前々期と2期連続で7点以上を取れたのは、自分としても自信になりました。

冬よりも夏が好き?記者さんからそう言われることは多いんですよね。でも、僕はそんなことは思っていないです。プロペラが合う合わないでそういう成績になっているかと言われたら、そうじゃないんですよ。だから自分としては夏が得意で冬が苦手という意識はまったくないです。サーフィンが趣味なんで、単純に季節としての夏は好きですけど(笑)。

F2の後でも自分の武器は捨てなかった
そこで成長できたと思います

レーススタイル

スタートに関しては自信を持っています。別にスタートを極めようみたいなことは考えてなかったんですけど、デビュー2期目くらいに「僕って、スタート、見える方なのかな」って思い始めました。そこから、他の人にもスタートが早いと意識されるようになったのも分かったので、恥をかけないなってスタートに集中してきました。

お客さんは僕のスタートに期待してくれていると思うので、そこを裏切らないようにとは思っています。だけど、僕自身としてはターンで勝負したいという気持ちが強いです。早いスタートを行ってまくるのも気持ちいいんですけど、遅れずに少し有利な位置にいられるようなスタートを行って、切りしろをとってターン勝負、と意識することの方が多いです。

というのも記念レースをよく走らせてもらうようになってくると、自分だけスタートで飛び出てまくる、みたいなシチュエーションってなかなかないんですよね。

4コースの成績が良い?そうなんですか。自分では気がついていませんでした。でもまあカドの時は、全速でスタートを行こうとは思っています。ただ、そこからまくりを狙うというよりは、有利な位置から展開を見て的確に突く、というようなことを考えていますね。逆に3コースだとちょっと遅れがちな気がします。

昔は平均STにかなりの価値を感じていましたし、そこにこだわっていたのはあるんですが、今はだいぶ大人になって、いい意味で落ち着きが出てきたと思います。新期の平均STがコンマ10台というのはうれしいですけど「気をつけてよ、オレ」っていうメンタルではあります(苦笑)。無茶はしていないですよ。自分が行けると思うから行っているだけです。それにタイミングよりも質、つまり全速で行っているかどうかの方が大事というのは最近すごく意識しています。質を意識しすぎると、ためすぎて遅れてしまうこともあります。だからといって置きにいって早いSTを残すんじゃそんなに武器にはならないから、やっぱり質を高めるためにもっと自分を磨いていくしかないなって思っています。

これまでを振り返って

デビューからを振り返ると、とても満足はできないですよね。事故が続いて伸び悩んだというのもありますし、自分自身の考えの甘さがいろいろな部分にあって、仕事と真剣に向き合えていなかったという感覚もあります。

最近は強い若手がかなり出てきましたよね。GIを獲っているコたちもいるし…。僕ももう記念を獲っていなければいけない年齢だと思っています。結果だけでいうともどかしいですね。

やっぱり自分が甘く考えていた部分は大きいと思います。初めてA1級に上がった時にトップルーキーに選ばれたんですよね。そこで記念にたくさん呼んでいただけたんですけど、ボコボコにされてB1級まで落ちました(苦笑)。

それで伸び悩んでいる時に、同期の仲谷颯仁関浩哉だったり、1コ上の羽野直也は記念で活躍していたわけです。あの頃に、考え方を変えないといけないなって思いました。記念に出られただけで満足していた僕と、記念で勝つためにと考えていた彼らとの差は、メンタルの持ち方だなって。

今後の目標

記念に行けば足りないところがたくさんあるのは感じますが、記念走り始めのボコボコにされていた頃とは自分も変われたと思ってます。走り始めの頃は、周りのことばかり気にして、自分に集中できていませんでした。技術やプロペラ調整などはまだ全然足りていないとは思いますが、ある程度仕上げることができれば、どんなに強い選手が相手でも、自分自身に集中して自分がやるべきことをできれば、オレもやれる、と思えています。

結果的にレースで思い通りにいかないこともありますけど、自分のできることをすべて出し切れたら、結果に一喜一憂することもなくなるんですよね。そんな風に、自分が考えられるようになれたことが、自分にとっては大きな成長だったのかなって思います。

今後は記念の場数をもっと踏んで、場にもっと慣れたいですね。

記念でもっと活躍したいだとか、SGに出たいだとか、記念で優勝したいだとか…、目標にするべきことはたくさんあります。そこに続く道は目の前の1走を積み上げていくことしかないと思うので、すべてのレースで自分のベストを尽くせるよう頑張ります!

4850・野中一平(愛知)のプロフィールはこちら