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レーサーを目指したきっかけから教えてください。
父(深見康司元選手)がレーサーだったので、自分もなりたいと思いました。本格的に考えたのは高校2年生の時ですね。小さな頃から父がレーサーだという認識はありましたよ。
養成所時代を振り返って。
8回受験して、やっと受かった…という感じでした。養成所ではずっと『6号艇』だった記憶しかないですね。当時の養成所ではカポックの色がクラス分けみたいになっていて、成績が優秀な人が1号艇で、成績が一番悪いグループが6号艇だったんです。その制度は今も同じだと思うんですけど、次の試験でいつ帰らされるか…という感じで、常に瀬戸際のところにいた感じですね。
苦難を乗り越えてレーサーデビュー。
選手になってからの成績もひどいですよね。初勝利までも時間がかかりましたから(約2年3ヶ月)。レースに参加できないような感じで、全然思うようにいかないし、クビになってしまう…っていう気持ちはありましたね。それなのでとにかく練習に行きました。朝は常滑で練習して、午後からは蒲郡に行って練習して、とにかくボートに乗っていました。
長く続いた勝率3点台から脱却しました。
2020年ぐらいから河村了選手にお世話になって、成績が上がってきました。河村さんは「レース場に入ってからはやれることが限られている。レースに行く前の準備が大事だ」と言われました。レースに行く前、走る場を想定してプロペラを叩きます。「このレース場なら、こういう条件で、このプロペラが合うだろう」というのを何パターンか用意して臨んでいます。
それでエンジンが出るようになりましたね。あとはレース場で無意味なことをしなくなったと思います。以前はむちゃくちゃなことをしていたのかな…と思います。今は河村さんに言われたことを言われた通りやっているだけですけどね。特徴としては出足を中心に、乗りやすくする調整をしています。成績も安定してきました。
来年1月からはA2級初昇格を決めました。
いいエンジンを引いているだけ…ってのもあると思いますが、最近は本多宏和さんにもお世話になっています。全部レースを見てもらって、テレビ電話で各レースを細かく振り返って「ここの走り方が違う」とか全ての面で指摘してもらっています。悪い所の修正点はもちろんですが、褒めてもらうこともありますよ。そこからガン…って成績が上がりました。
最近は3コースの勝率がグンと上がっているようにも思います。
スタートのタイミングが早くなっているわけではないですが、質のいいスタートを意識して全速で行けるようになりました。
それは起こしや行き足が安定して仕上げられているということ?
そうですね。調整やプロペラ、メンタルに関しては河村さんが見てくれて、レースは本多さんが全部見てくれている…という感じです。今までやってきたことがマッチしているのかな。それでも今の成績は私が頑張った…というより、河村さんと本多さんが時間を割いてくださったおかげですね。
今後の課題は?
今、上がった成績は本当にたまたま…という感じもしています。だからもう少し旋回力を上げたいですね。そして、スタートも大事な時に遅れてしまったりする。8月の蒲郡の準優勝戦(2コースからコンマ20のスタートで6着)は行かなければいけない時に行けなかった…。自分の弱点が全面的に出ましたね。足はめちゃくちゃ良かったんです。そこを克服したいです。
将来的には?
A1級に上がって、大きなレースに出たい。去年はクイーンズクライマックスのシリーズ戦に出たんですが、あれをきっかけにもっと頑張ろう!と思いました。取材陣も多いし、雰囲気が違いますからね。あのようなところでずっと走ることができる選手になりたいですね。
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