藤原啓史朗
藤原啓史朗

今、狙える選手に訊く~藤原啓史朗インタビュー~

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GⅡで完全優勝!

今年はいろいろあったというか、出来すぎている年になりました。1月に徳山のGⅡで優出して、オーシャンカップのポイントを稼げたのがまずは大きかったです。ずっとSGに出場することを目標にしていましたからね。オーシャンカップは地元の児島での開催でしたけれど、地元開催だから意識したというよりも、もともとSGに出たいという気持ちの方が強くて、それがたまたま地元開催と重なったという感じでした。二重にうれしかったですね。

そしてびわこ秩父宮妃記念杯。前検でエンジンを引いた時に検査の方やびわこを走っていた選手から「良いのを引いたね」って言われました。でも正直、前検の特訓や足合わせでは、たいして他の人と変わらなかったし、手応えがあったわけではなかったんです。それが初日の後半に伸び型の調整をしてみたら伸びだして…。いいエンジンってちょっと使って回転が上がりやすくなってから良さがより出てきたりするんですが、そういう感じだったのかもしれませんね。初日の後半、6号艇でしたが、欠場が出て5艇立てになったのも、あとから考えれば流れとしては大きかったなと思います。

初日に3号艇、6号艇で連勝できた時点では、この後、上手くいけば準優に1号艇で乗れるかも、と。まさか完全優勝なんて思いもしなかったです(笑)。エンジンは日増しに回転が上がっていって良くなっていきましたね。

4日目が1号艇で、あと3回逃げたらパーフェクトだなと、さすがにその時には周りにも言われたし、自分でもそう思いました。でも僕としてはパーフェクトということよりもGⅡ優勝の方が比重としては大きかったです。なので4日目は(準優や優勝戦の)練習ぐらいの意識で、リラックスして臨んでいました。というのも予選最終日の最終レースだったので、もし自分が逃げられなかったとしても、事故をしない限りはトップは決まっていました。まったく緊張はなかったです。結果的には逃げられましたけど、ターンは失敗でしたね。でもエンジンのおかげで逃げられて…、あの失敗があったから、その後ミスらなかったというのはあると思います。

準優はすごく緊張しました。ここで逃げられなかったら台無しだし、2号艇に馬場貴也さんもいましたからね。準優で勝てたことで優勝戦はそんなに緊張しなかったです。フライングだけをしないように、と。エンジンの力があるからミスなく先に回れば大丈夫だと思っていました。

普通に過ごせたか?自分では普通に過ごしていたつもりです。でも同期の松尾充クンには後から「なんか口数が少なかったよね」って言われたので、多少はいつもと違ったのかもしれません(笑)。

ありがたいことに3日連続で12Rだったので、調整でバタバタすることもなく、少し気温が高めだったのでプロペラを微調整したぐらいで、あとは小説を読んでゆっくり過ごしていました。支部の先輩の吉田拡郎さんからは「徳を積め、徳を積め」ってしょうもな…いや、ありがたいアドバイスをいただいていました(笑)。

あらためてGⅡ完全優勝について?完全優勝はもちろん、オール2連対も経験なかったです。それをGⅡの場で、僕なんかがやっていいのかなって感じでした。ビックリはしましたけれど、それぐらいエンジンは良かったし、流れも良かったです。びわこは周年でGIを初めて走ったレース場で、そこで水神祭もしたし、そのあと2年前の10月に左の鎖骨を折ったこともありました。いろいろな思い出のある場に、また大きな思い出が残せましたね。

レース後、いろんな人がお祝いのメッセージをくれたり、直接声をかけてくださったりしました。「すごいね」って言ってくれる選手も多かったですが、自分が何か変わったかというと、それは特にないです。

児島OCでSG初出場

出場が決まった時はメチャクチャうれしかったです。1月の徳山GⅡでほぼ決まって…。ただ、その後のレースはちょっとモヤモヤしたものが残りました。去年の11月にフライングをしてしまったので、F持ちでレースをする期間が続いていたんですよね。せっかくのSG出場がF休みになってしまったらもったいないし、正直、スタート勝負はできないような状況が続いていました。その間はふがいないレースの連続で、勝率もまったく取れませんでした。期が切り替わる5月までは我慢の連続でした。

無事に出場が決まってからは、SG出場まで、びわこGⅡの完全優勝を含め5節連続で優出できていたので、ホント、流れは完璧っていう感じでした。自分自身でも楽しみはあるなと思っていましたよ。なのに下から何番目かというエンジンを引いてしまって…。GⅡの反動があったのか、けっこう苦しみました(苦笑)。

節間を振り返ると1勝できてホッとしたというのが一番ですが、同時に力不足も感じましたね。GIでも一緒ですけど、僕は整備が苦手なので、ペラでエンジンが出せないとどうにもならない。上のクラスの人とはその辺がかなり違うなということを再認識しました。

メチャクチャ引きがいい

オーシャンカップは良くないエンジンでしたが、ここ最近の僕は他の選手にも言われるくらい良いエンジンを引いているんです。峰竜太さんと会うと「また、引くんやろ」と言われます(笑)。山口剛さんとは今期3回一緒になって、3回ともエース機を引きました。剛さんには「オレと一緒の節は9点ぐらい取ってるやろ。どこで這いよるんじゃ?」って言われてしまいました(苦笑)。桐生周年では剛さんに頭を叩かれて、剛さんに優勝されましたけれど…。

でも、いろんな方に引いてるってことで声をかけてもらえたりするので、ありがたいですね。

今後の目標

キャリアハイの勝率が取れたのはエース機を4回も引いたことが大きいですけど、スタートもFを切らずに安定して行けたし、もしかしたらプロペラが当たっているのかもしれません。

SG出場という目標が叶ったことで、ちょっと満足してしまった部分はあるんですが、選手を辞めるつもりはないし、続けるからには良い成績を取って、稼ぎたいと思っています。そうですね、今年はGPシリーズに出て茅原悠紀さんや拡郎さんのグランプリでの走りを近くで見たいですね。そしてGⅡを獲ったからには、次はGIのタイトルも目指したいです!

4762・藤原啓史朗(岡山)のプロフィールはこちら