厳しい罰則は舟券を絞りやすくするが、平均配当を下げる

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5月の級別審査からスタート事故の罰則が強化されています。級別の最低出走回数と優勝戦の2本目のフライングに対する事故点です。罰則を強化すればスタート事故が減ります。ただし、厳しすぎると走る前から要らない選手が出てきます。

これはかなり前のことですが、A級選手が2本目のフライングをした次の節で6着を5本も取ったことがありました。完全に「降りている」のです。5艇レースと同じなのでA級が負けても配当がつきません。最近のレースでも優勝戦でフライング持ちの選手が4号艇で6コースに回るというのがありました。これでは優勝はないのと同じです。5艇レースになってしまいます。

ボートレースはスピードを競う競技ではありません。初開催から配当を出すために考えられた競技です。舟券の種別でも2連単よりも3連単が圧倒的に多いのは、配当の魅力だからです。5艇レースと6艇レースでは、どちらが配当の魅力があるかといえば6艇の方です。選手が「降りすぎる」罰則があると、舟券を絞れるというメリットがあるものの、高配当の魅力はなくなります。

桧村賢一

1947年福岡県生まれ。「競艇専門紙・ニュース」を経て、現在は「マンスリーBOAT RACE」のライターとして執筆活動のほか、レジャーチャンネルでのレース解説、BTS市原、岡部、岩間などで舟券塾を定期的に開催している。「舟券を獲る最強の教科書」(サンケイブック)「よくわかるボートレースのすべて」(サンケイブック)などボートレース著書多数。