井口佳典
井口佳典

タメすぎたスタートは遅れる

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カドが手に入った選手の多くは、まくって勝ちたいと思うようです。差して抜け出すよりも、強さのアピール度が違うからです。まくるのが読めれば、外隣の選手が楽なカドにしてくれます。スタート展示から気合入りです。気合入りはスタートの起こし位置でわかります。少しでも助走距離を稼ぎ、スピードの乗った状態でスタートラインを通過しようといます。井口佳典のように若い頃から300mダッシュをしている選手なら奥に引いた位置からでスタートを決めることができます。

しかし、普段は200mダッシュしかしていない選手が250mや300mダッシュをしても、スタートを決めることはできません。スタート展示と本番で風の強さでも変わろうものなら、起こし位置はわかっても、起こしのタイミングがわからなくなります。スタートラインに行くまでにアジャストしなければならないので、スタートラインをトップ通過できません。アジャストを嫌い、タメすぎたスタートも立ち遅れます。

桧村賢一

1947年福岡県生まれ。「競艇専門紙・ニュース」を経て、現在は「マンスリーBOAT RACE」のライターとして執筆活動のほか、レジャーチャンネルでのレース解説、BTS市原、岡部、岩間などで舟券塾を定期的に開催している。「舟券を獲る最強の教科書」(サンケイブック)「よくわかるボートレースのすべて」(サンケイブック)などボートレース著書多数。