5月から級別審査基準が変わります

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ボートレースの級別審査は5月~10月、11月~4月の年2回です。級別審査基準があり、勝率、2連対率、3連対率、事故率、出走回数によってA1級、A2級、B1級、B2級が決まります。適用されるのは1月~6月、7月~12月です。

2025年5月から級別審査基準が変わります。ルールが変われば選手の走りも変わるので、それは当然のように舟券に影響してきます。今回の改正は事故率と出走回数です。スタートに影響してくる改正なので、これまでのように「横一戦」=「1コース有利」が崩れる可能性が高くなります。

「選手級別決定基準」の改正

出走回数の基準の変更(途中帰郷防止対策)

昨今の開催日数増加の中、途中帰郷者が増加傾向になっており、魅力ある競走の開催継続が危ぶまれる懸念もあることから、各級別の出走回数の基準において、A2級は10回、B1級は15回を加算します。

区分 現行 改正後
A1級 90回以上 90回以上→90回以上(変更なし)
A2級 70回以上 80回以上
B1級 50回以上 65回以上
B2級 … …

事故点の増加(スタート事故防止対策)

競走の魅力を阻害するフライングの増加に伴い、返還額も多額になる傾向も踏まえ、スタート事故防止の意識をより高める必要があることから、級別審査対象期間内での2回目以降のフライングについては10点、2回目以降のフライングが優勝戦であった場合は20点を加算します。

区分 現行 改正後
2回目以降のフライング 20点→30点
2回目が優勝戦の場合 30点→50点

●舟券作戦の影響
スタートが行けず1コースが弱くなる

5月からの級別審査基準の改正は、フライング事故防止が主な目的です。出走回数の基準の変更は、フライングによる欠場が関係してきます。フライングをしないためにスタート勝負をしない選手が出てきます。8項に抵触しそうな選手が走ることでレベルの低い選手がレースに出てきます。

優勝戦で2本目のフライングをすると事故点が50点になります。1本目の20点(優勝戦30点)に加え、2本目の50点が加算されると70点です。事故率が0.71以上になると勝率に関係なくB2級です。A1級の選手がB2級になると選手の収入は大幅ダウンです。B2級に陥落するのを避けるため際どいスタートが行けなくなります。横一線のスタートが崩れることで、1コースの選手に対する「壁」がなくなります。その結果、1コースがまくりやまくり差しで敗れるケースが増えてきます。1コースの神話が崩れます。

桧村賢一

1947年福岡県生まれ。「競艇専門紙・ニュース」を経て、現在は「マンスリーBOAT RACE」のライターとして執筆活動のほか、レジャーチャンネルでのレース解説、BTS市原、岡部、岩間などで舟券塾を定期的に開催している。「舟券を獲る最強の教科書」(サンケイブック)「よくわかるボートレースのすべて」(サンケイブック)などボートレース著書多数。