待機行動ルールを勉強してみよう

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近畿地区選の準優で1着になった馬場貴也が優勝戦に乗れませんでした。馬場の走りを見ると、1コースからスタートラインに行くまでに外側にボートを寄せています。これが「適正なコース間隔」に抵触して、待機行動違反の対象になりました。

待機行動のルールが厳格に適用されるようになったのは、スタート練習が廃止になった翌年の1992年11月からです。スタート練習が廃止になると、後付けで1コースに入る選手が出てくるようになりました。内規ではなく、はっきりとルール化した方が良いということで、待機行動に関する要領が制定されました。2009年にはルールが改正され、待機行動実施細則に名称が変わっています。

主な待機行動ルール

・待機航走の方法…モーターボートは、内線を左回りしなければならない。
・追突等…失速または追突することにより、他のモーターボートの航走に支障を生じさせてはいけない。
・転舵…接近して並行している他のモーターボートに向けて転舵することにより、他のモーターボートの進路に支障を生じさせてはいけない。
・蛇行…内線付近における低速航走中において、蛇行してはならない。
・ターンマークへの接触…2マーク等に接触することにより、通常予測される進行方向に対する速度を遅らせてはいけない。
・モーター停止…選手は故意にモーターを停止させてはならない。
・前付け…内線付近において、低速航走中の他のモーターボートの進行方向に入る(前付け)ことにより、そのモーターボートの進路に支障を生じさせてはいけない。
・割り込み…他のモーターボートの内側に割り込むことにより、他のモーターボートの進路に支障を生じ津させてはいけない。
・逆航走…ボートの先端をスタートライン方向に向けた後は、再度スタートライン方向と反対方向に向けて航走(逆航走)をしてはならない。
・適正なコース間隔…1コースに入る場合は、内線と適正な間隔を超える間隔を空けてはならない。2コースから5コースに入る場合は、隣接する隣接する内側のコースのモーターボートと適正な間隔を超える間隔を空けてはならない。適正な間隔は審判委員長が定めることとする。

現行の待機行動ルールでは2コースの出番が減る

このルールで割りを食ったのが2コースです。外に張れなくなりました。まくるほど抜け出せず、どうしても差しに構えるレースが増えています。スタートで半艇身先手を取っても差す選手がほとんどです。

差しグセがついてしまった選手がいると、3コースが思い切って全速で攻めます。1コースと3コース航跡に2コースの選手がはめられると最悪です。2着確保もできず、着外落ちしてしまいます。

差しグセがあるかどうかは決まり手を調べるとすぐにわかります。スピードで自信を持っている選手だと、3コースの選手を止めて全速残りのテクニックを使います。

桧村賢一

1947年福岡県生まれ。「競艇専門紙・ニュース」を経て、現在は「マンスリーBOAT RACE」のライターとして執筆活動のほか、レジャーチャンネルでのレース解説、BTS市原、岡部、岩間などで舟券塾を定期的に開催している。「舟券を獲る最強の教科書」(サンケイブック)「よくわかるボートレースのすべて」(サンケイブック)などボートレース著書多数。