チルト3度の展示のターンは遅く見える

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チルトは「傾ける」という意味で、ボートとモーターの取り付け角度を調整する金属板です。これまでモーターの取り付けの高さを変えるために、アジャスターボルトやライナー(ベニヤ板)が使われてきましたが、国際レースに参加した時に手っ取り早くやる方法はないかと考案されのがチルトアジャスターです。ヤマト発動機の石原さんの考案ですが、競争相手がいないので特許は取っていません。

チルトを上げるとボートの舳先が浮くので、接水面積が減ります。プロペラも水面に近づき、プロペラにかかる水圧も減ります。それで直線のスピードが速くなりますが、ターンをする時に不安定になるというリスクが出てきます。1マークをまくって先行すれば問題がなくても、波の中に入るとプロペラの空回りが起きて事故の原因になります。どうしても周回展示のターンが慎重になるのは仕方のないことです。

桧村賢一

1947年福岡県生まれ。「競艇専門紙・ニュース」を経て、現在は「マンスリーBOAT RACE」のライターとして執筆活動のほか、レジャーチャンネルでのレース解説、BTS市原、岡部、岩間などで舟券塾を定期的に開催している。「舟券を獲る最強の教科書」(サンケイブック)「よくわかるボートレースのすべて」(サンケイブック)などボートレース著書多数。