深読みしても無駄券が増えるだけ

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将棋や囲碁の高段者は時間をかけて何手先までも読んでいきます。重要な局面では長考になります。これはあらかじめ動きの決まっている駒や石だからこそできることです。今ではAIを使って途中の形勢を判断しています。しかし、ボートで長考が有効かと言えば、疑問です。

一つの理由は選手心理が働く競技なので、その全貌は読み切れません。レース形態も不確定要素が多いので、読み切れない事象が起きてきます。舟券の深読みのほとんどは競り合いを想定したものです。AがまくるからBが反発する。Cにとっては絶好の差し場が開けるというのが多いようです。

しかし、競り合うような展開は、いろいろな条件が重なったときだけです。それにもかかわらず少ない可能性を信じると舟券の点数が増えるだけです。その中には無駄券も含まれています。穴は多点買いが必要でも、過度な深読みは勧められるものではありません。ボートレースは1マークを先に抜け出した選手が勝ちやすい競技です。その1点に集中力を発揮した方が賢明です。

桧村賢一

1947年福岡県生まれ。「競艇専門紙・ニュース」を経て、現在は「マンスリーBOAT RACE」のライターとして執筆活動のほか、レジャーチャンネルでのレース解説、BTS市原、岡部、岩間などで舟券塾を定期的に開催している。「舟券を獲る最強の教科書」(サンケイブック)「よくわかるボートレースのすべて」(サンケイブック)などボートレース著書多数。