負けて喜ぶ選手は誰もいない

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ボートレースの一般競走で4着以下になると賞金が出ません。かつては4着まで賞金が出ていましたが、「負けた選手に賞金を出すのはおかしい」という声を受けて賞金を出さなくなりました。しかし、無賃で走っているわけではありません。4着完走手当、5着完走手当、6着完走手当として支給されています。1号賞金場だと4着完走手当は2万9000円、5着は1万9000円、6着は1万1000円です。1着賞金は9万円なので、それを基準にして6等分すると6着は1万5000円になるはずですが、6着完走手当はそれに満たない金額です。

レースが終わった後に、舟券の外れた年配のお客さんが選手に対して「勝たせてやった」、「譲った」と根拠のない誹謗、中傷をする人がいます。完走手当のことを考えると負けて喜ぶ選手などいません。4期通算(2年間)で勝率が3.80未満、もしくは事故率が0.70以上だと選手会から退会勧告を受け、引退しなければなりません。優勝劣敗の世界だといえ、厳しい世界です。

桧村賢一

1947年福岡県生まれ。「競艇専門紙・ニュース」を経て、現在は「マンスリーBOAT RACE」のライターとして執筆活動のほか、レジャーチャンネルでのレース解説、BTS市原、岡部、岩間などで舟券塾を定期的に開催している。「舟券を獲る最強の教科書」(サンケイブック)「よくわかるボートレースのすべて」(サンケイブック)などボートレース著書多数。