一般戦で走るSG級は最強ではない

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SGやGIの谷間にある短期開催の一般競走に、SG級の選手が出場することがあります。実力の違いで1着を並べるのではと期待されますが、いざレースが始まると期待したほどの成績を挙げられません。序盤戦で枠番が悪いと惜敗が多くなります。負けると「賞金が安いから手抜きしている」と非難するファンもいます。新しいプロペラの形を試す選手がいることは確かです。

しかし、選手は結果として負けることがあっても、自分から勝率を下げることはしません。SGを走る選手は、常に上のステージを目指しているので、勝率や獲得賞金が後々響いてくるからです。

では、なぜ実力差がはっきりとしたレースで惜敗するのか。理由は「相手の動きが読めない」からです。いつも顔を合わせている選手なら相手の動きを予測でき、それに応じた走りができるものです。しかし、対戦した記憶のない選手だと、割って入ると事故を起こす危険性があります。かつては前付けで1コースを取っていましたが、枠なり全盛の時代ではそれもできません。1コースを外すと外へ回すしかないので、惜敗するのです。

桧村賢一

1947年福岡県生まれ。「競艇専門紙・ニュース」を経て、現在は「マンスリーBOAT RACE」のライターとして執筆活動のほか、レジャーチャンネルでのレース解説、BTS市原、岡部、岩間などで舟券塾を定期的に開催している。「舟券を獲る最強の教科書」(サンケイブック)「よくわかるボートレースのすべて」(サンケイブック)などボートレース著書多数。