丸野一樹
丸野一樹

船舶は右側通行だから、ボートは左回り

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平和島は5月3日からのGW開催が終わると、5月14日からGⅡ「モーターボート大賞」が始まります。レース場やボートピアにはモーターボート大賞のポスターが貼られて、ホームページにも特設サイトが設けられています。キャッチフレーズは「ワザかパワーかスピードか」です。黄色の勝負服を来た5号艇のターンイラストが正面に来ています。

ところが、よく見ると「何か変」です。ボートは右手にハンドル、左手にレバーではなかったでしょうか。ターンも左回りです。ポスターは逆です。裏焼きですね。デザイン上ですばらしくでも、事実は曲げてほしくありません。

ポジフィルムを使って印刷をしていた頃は、フィルムの表と裏を間違えた「裏焼き」はよくありました。今はデザインソフトを使って印刷まで持って行きます。「反転」のキーを押さない限り、このデザインはできません。意図的に反転した作品です。

こうした反転ものが出てきたのは、2020年のオフィシャルの「let's BOATRACE」からです。これをファン手帳が流用し、それからいろいろなレース場のポスターに使われてきました。一回の過ちが、過ちの連鎖になるのです。

びわこのYouTubeで丸野一樹選手が、現行のボートで右回りターンに挑戦していますが、感想は「怖い、ヤバい」でした。興味のある方は一度見てください。ボートの左回りは、船舶は右側通行という国際ルールに則ったものです。由来は帆船時代にさかのぼるとのことです。いずれにしても、見慣れた光景の方がボートファンは安心できます。

桧村賢一

1947年福岡県生まれ。「競艇専門紙・ニュース」を経て、現在は「マンスリーBOAT RACE」のライターとして執筆活動のほか、レジャーチャンネルでのレース解説、BTS市原、岡部、岩間などで舟券塾を定期的に開催している。「舟券を獲る最強の教科書」(サンケイブック)「よくわかるボートレースのすべて」(サンケイブック)などボートレース著書多数。