公式データはホンネが出ない

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スタートが大きな比重を占めるボートレースは、選手心理がかなり影響します。フライングを1本でもすれば、事故率を減らすためにスタートは慎重になります。予選で準優出勝負になると、強気にスタート勝負に出ます。1号艇の時だけスタートを張り込むB1級選手もいます。コース取りでも勝負どころになれば、外枠から前付けに動く選手もいます。枠なり進入が全盛の中で、選手心理でデータどおりにならなくなるのです。

公式に発表されるデータでは、選手心理が反映されません。枠番別コースデータなどを見て、そのとおりに信用してしまうと、データに裏切られることがあります。データは過去の集積です。最近もてはやされているAIも落とし穴があります。AIといえば、何か素晴らしいことをやっているように思えますが、過去の似たものを探しているだけです。

桧村賢一

1947年福岡県生まれ。「競艇専門紙・ニュース」を経て、現在は「マンスリーBOAT RACE」のライターとして執筆活動のほか、レジャーチャンネルでのレース解説、BTS市原、岡部、岩間などで舟券塾を定期的に開催している。「舟券を獲る最強の教科書」(サンケイブック)「よくわかるボートレースのすべて」(サンケイブック)などボートレース著書多数。