強い向い風だとまくりが決まらない

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「向い風はまくり、追い風は逃げ」というボートレースの格言があります。ところが、この格言が有効なのは風速次第というのを今村豊さんから教えてもらいました。

選手がスタートをする時に注意していることは、起こしのタイミングと空中線の見え方だそうです。起こしのタイミングは、大時計の文字盤と秒針の位置で決めます。風速によって起こしのタイミングが変わります。文字盤の1秒間を2分の1、さらに2分の1のまた2分の1というように分割して、起こしのタイミングを調整します。

加速状態に入ってからは空中線が目安になります。80~85m空中線、45m空中線の通過時に、ボートの舳先がどこにあるかで確認します。通常は空中線が前に見えるものですが、強い向い風になると早めに起こす関係で、空中線を背負うようにして通過します。空中線が視界から消えた状態になるのです。不安になり、全速でスタートが切れなくなります。これではまくりは決まりません。

桧村賢一

1947年福岡県生まれ。「競艇専門紙・ニュース」を経て、現在は「マンスリーBOAT RACE」のライターとして執筆活動のほか、レジャーチャンネルでのレース解説、BTS市原、岡部、岩間などで舟券塾を定期的に開催している。「舟券を獲る最強の教科書」(サンケイブック)「よくわかるボートレースのすべて」(サンケイブック)などボートレース著書多数。