優勝戦のFはダメージが大きい

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級別審査は勝率だけではありません。事故率なども関係してきます。事故率は事故点を出走回数で割り算をした数で、0.71以上になると勝率が高くてもB2級になります。

事故点で一番高いのは、優勝戦の選手責任によるスタート事故です。一般競走のフライングは事故点が20点に対して、優勝戦は30点もあります。事故率を0.70以下にするには、事故点が20点だと29走、30点になると43走が必要になります。もう事故は起こせないという気持ちになるものです。

さらに、愛知県碧南市にある選手会の常設訓練所で、2泊3日の日程でスタートの再訓練を受けなければなりません。訓練に参加する交通費などは自己負担です。行かなくても良い選手は罰金で済みます。訓練費用と交通費はほぼ罰金の金額と同じなので、費用の負担が特別に多いということはありません。しかし、2泊3日の訓練に拘束されるので、移動の時間などを考えると身体的な負担は大きくなります。

そうしたことを考えると、優勝戦でフライングをした選手は、次に優勝戦へ乗ると「もうフライングはできないな」になるものです。スタートで攻めるレースが出来ないので、舟券の取捨も楽です。SGやGIの準優、優勝戦のスタート事故はペナルテイーが厳しいので、高額の賞金獲得選手ほど影響が大きくなります。

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桧村賢一

1947年福岡県生まれ。「競艇専門紙・ニュース」を経て、現在は「マンスリーBOAT RACE」のライターとして執筆活動のほか、レジャーチャンネルでのレース解説、BTS市原、岡部、岩間などで舟券塾を定期的に開催している。「舟券を獲る最強の教科書」(サンケイブック)「よくわかるボートレースのすべて」(サンケイブック)などボートレース著書多数。