取れる穴と取れない穴がある

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2連単の頃は、一つのレース場で万穴が飛び出すのは1ヵ月に2、3回程度でした。それこそ想定外のことが起きない限り万穴は的中できませんでした。万穴を的中したら、舟券の発売窓口で申請すると「高配当証明書」を発行してくれました。レース場によっては、大入り袋をくれるところもありました。それほど貴重なものでした。ところが、3連単になってから万穴の出現率は15%もあります。多いレース場だと20%です。ほぼ毎日のように万穴が出ています。万穴が遠い存在ではなく、少しヒネれば誰もが取れるものになりました。

ただ、取れるといっても限界があります。万穴が出るレースは、大きくわけて2通りです。一つは事故などで本命選手が消えるケース、もう一つは過剰人気の1コースが敗れることで飛び出す万穴です。「1コースが強い」という先入観にとらわれすぎて起きる現象です。予期せぬ事故で飛び出す万穴は、許容範囲に入れるしかありませんが、過剰人気の1コースは当日の気配を見ていればわかるものです。取れるは、こちらの方です。

桧村賢一

1947年福岡県生まれ。「競艇専門紙・ニュース」を経て、現在は「マンスリーBOAT RACE」のライターとして執筆活動のほか、レジャーチャンネルでのレース解説、BTS市原、岡部、岩間などで舟券塾を定期的に開催している。「舟券を獲る最強の教科書」(サンケイブック)「よくわかるボートレースのすべて」(サンケイブック)などボートレース著書多数。