全員当たればボートレースが滅びる

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ボートレースは、戦後復興の財源を生み出すために考案された競技です。本来なら禁止されている賭博(ギャンブル)ですが、特定の目的を達成するために健全な娯楽の範囲内で弊害をできるだけ除去することを前提に公認されました。ギャンブルですから、配当が出るようにしなければなりません。
純粋に実力を競うものなら、モーター抽選など行わず、選手がモーターのオーナーになれば良いはずです。アマチュアのモーターボートレースは、モーターはすべて個人オーナーかチームオーナーです。モーター抽選をすることで、どの選手にも勝つチャンスを与え、やる気を出させるという目的もありました。
大村の初開催が5点マークで始まり、これでも着順の変動がないかと2点マークに変わったのも、すべて不確定要素を作り出すためです。全員舟券が当たれば配当がつきません。主催者は経費持ち出しになります。ボートレースは滅びることになるのです。舟券が当たらないからと悲しむ必要はありません。そんな競技なのだと割り切って舟券を買ってください。偶然性で決まるレースもあるので、ときには良いことも起きるでしょう。
そういった背景があるにも変わらず、7点、8点の勝率をキープしている選手は、すごい選手ということです。称賛に値する選手です。

桧村賢一

1947年福岡県生まれ。「競艇専門紙・ニュース」を経て、現在は「マンスリーBOAT RACE」のライターとして執筆活動のほか、レジャーチャンネルでのレース解説、BTS市原、岡部、岩間などで舟券塾を定期的に開催している。「舟券を獲る最強の教科書」(サンケイブック)「よくわかるボートレースのすべて」(サンケイブック)などボートレース著書多数。