モーター性能差は解消できない

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ボートレースのモーターは群馬県にあるヤマト発動機が製造販売しています。年間約1400機製造しています。全国のレース場へは、製造能力のこともあって1ヶ月に2場の割合で納入しています。1台の価格は約60万円です。検査に合格してレース場に納品され、レース場では航走タイムを計測して、それに合格して初めて競走用モーターとして実戦で使われることになります。規格が同じなので、性能差はないものと思われがちですが、実際は初使用から性能差が出てきます。

性能差が生まれる理由の1つが部品の膨張です。400点近くの部品で構成されている競走用モーターは、高速運転するとモーターが熱を持ちます。部品が均等に膨張すれば問題はありませんが、中にはいびつに膨張する部品もあります。それがピストンの往復運動やシャフトの回転に影響します。1分間に6000回以上の回転するシャフトに少しでも抵抗があれば性能を十分に発揮できなくなります。膨張率に差が出るのは、部品を鋳造する過程で気温差があるからです。細かなことよりも、初使用から性能差があり、簡単にはそれを解消できないと覚えておいて下さい。交換できる部品も限定されているので、いくら選手が頑張っても無理です。

桧村賢一

1947年福岡県生まれ。「競艇専門紙・ニュース」を経て、現在は「マンスリーBOAT RACE」のライターとして執筆活動のほか、レジャーチャンネルでのレース解説、BTS市原、岡部、岩間などで舟券塾を定期的に開催している。「舟券を獲る最強の教科書」(サンケイブック)「よくわかるボートレースのすべて」(サンケイブック)などボートレース著書多数。