先輩、後輩を考えても意味はない

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GWの開催になると地元選手が揃います。賞金も「タイトル戦」の扱いになり、優勝賞金が150万円にアップされます。元気が出てくるのがいつもは一般戦しか走らないベテランです。賞金が上がることは大歓迎なので力が入ります。そうした時に若手との対戦でベテランが勝とうものなら「先輩に譲った」と言うファンが出てきます。結果として先輩が後輩よりも前を走ったので「譲った」ように見えるのかもしれません。しかし、ボートの仕組みを知っていれば、譲ったりは出来ない理由がすぐにわかります。

競走用ボートは、陸上を走る車と違います。自動車ならハンドルを切るとすぐに曲がれますが、競走用ボートはハンドルを切ってから20メートルほど行って曲がります。1マークの動きはすべて「こうなるだろう」の世界なのです。隣で併走しているボートのスピードと角度で、1マークの動きを予測してハンドルとレバーを操作するのです。予測でしかないので、譲ったり、譲られたりは時系列から見て不可能になります。

桧村賢一

1947年福岡県生まれ。「競艇専門紙・ニュース」を経て、現在は「マンスリーBOAT RACE」のライターとして執筆活動のほか、レジャーチャンネルでのレース解説、BTS市原、岡部、岩間などで舟券塾を定期的に開催している。「舟券を獲る最強の教科書」(サンケイブック)「よくわかるボートレースのすべて」(サンケイブック)などボートレース著書多数。