ボートレースはスタート事故との戦い-1

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フライングのペナルティーの変遷・予備ラインに整列させてスタート

ボートレースは1952年(昭和27年)に大村ボートでスタートしました。

初開催から1分針による松永式信号大秒時計を使ったフライングスタートを採用していました。しかし、初日のレースではスタートがまったく決まらず、2日目からは、まともにスタートを決めることができるようにとスタートライン50m手前に予備ラインを設けて、そこで一度整列させてからスタートしていました。先頭艇が1マークに到達するまでにスタートラインを通過すれば正発走にしており、フライングかどうかの判定は審判長にまかされていました。

予備ラインはその後、スタートライン5mの手前に設置されるようになり、正発走をしても予備ラインよりも前だと賞金をもらえず、次の着の選手に賞金を申し送るというルールもありました。30日間の欠場はボートレースの初期に採用されています。

フライング返還は1961年から

現在のようにフライングが返還欠場になったのは、ボートが始まって9年目の1961年(昭和36年)からです。それまでは失格扱いで舟券が返還さませんでした。1965年からフライングした選手は即刻帰郷になりましたが、1967年にこの制度は廃止になっています。

正発走で3秒から1.5秒になり、1967年に1.0秒に短縮されました。大時計も改良されて20秒針が12秒針になったのは1978年(昭和53年)です。1980年にはフライング1本につき40日の欠場になり、1984年には1本につき30日と緩和されます。2本目を切っても30日、3本目でも30日欠場で済むわけです。

この間、期3本のフライングをすると選手会から退会というルールもできましたが、これはすぐに廃止され、該当選手は復帰しています。1日見学という制度ありました。最終日の前日にフライングすると、最終日のレースが終わるまで見学しなければなりませんでした。

桧村賢一

1947年福岡県生まれ。「競艇専門紙・ニュース」を経て、現在は「マンスリーBOAT RACE」のライターとして執筆活動のほか、レジャーチャンネルでのレース解説、BTS市原、岡部、岩間などで舟券塾を定期的に開催している。「舟券を獲る最強の教科書」(サンケイブック)「よくわかるボートレースのすべて」(サンケイブック)などボートレース著書多数。