期末の舟券-2

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勝負駆けの1号艇は「買い」

勝負駆けの情報は番組編成にも反映されます。選手の方も肝が入っているので、いつもよりスタートに集中します。1号艇をもらえば、「ここしかチャンスはない」という気持ちでスタートを決めています。ベテランの女子選手が少しでも勝率を上げようと先マイに持ち込むレースが目立つようになります。数年前の尼崎でA級勝負の選手が1号艇をもらって、全員が勝負駆けを成功させたといったこともありました。年収に大きく響くだけに気持ちの入り方も違うというところでしょう。

無事故完走の勝負駆けもある

勝負駆けといえば、勝率アップばかりとは限りません。級別審査の基準の中に事故率があります。どんなに高い勝率をマークしていても、事故率が0.71以上になるとB2級です。さらに出走回数が50走以上で、事故率が1.00を超えると、「8項」といって6ヶ月間の斡旋停止があります。事故多発で事故率に抵触しそうな選手の目標は、事故率を減らすことです。無事故完走を目標にしている選手もいるので、注意が必要です。スタートを行かず、ターンでも事故を避けようとすると、舟券の対象外になってしまいます。そんな選手を見つけるのも期末の舟券作戦の一つです。

桧村賢一

1947年福岡県生まれ。「競艇専門紙・ニュース」を経て、現在は「マンスリーBOAT RACE」のライターとして執筆活動のほか、レジャーチャンネルでのレース解説、BTS市原、岡部、岩間などで舟券塾を定期的に開催している。「舟券を獲る最強の教科書」(サンケイブック)「よくわかるボートレースのすべて」(サンケイブック)などボートレース著書多数。