展示航走のここを見ろ
{{ good_count }}
この記事は最終更新日から1年以上が経過しています。
雨雲レーダーの予想精度が注目されています。1日前の天気予報の的中確率は85%、3日前になると70%というデータがあります。ところが1時間毎に発表される雨雲レーダーになると的中率は90%以上(ウェザーニュース社)です。遠い未来よりも、近い未来を考えた方が、予想が的中するということです。これはボートレースにも同じことが言えます。前日予想よりも直前予想の方が推測の領域が減るので、正確な予想ができるようになります。
ボートレースには展示航走があります。選手は展示航走の体感で、モーターの調整がうまく出来たか、ミスをしたかわかるそうです。展示航走が終わるとプロペラを叩いたり、部品交換などできません。展示航走が終わった状態で本番レースに臨みます。展示の良し悪しが舟券にも直結してくるものです。
●スタート展示はスリット手前からの勢いを見ろ
スタート展示は、選手によってやり方が違うので、スタート展示のスリット隊形と本番では違ったものになります。昨年引退した今村豊さんは「45mの空中線からスタートラインを通過して50mほど行ったところまでの舟足に注目してほしい」とコメントしていました。その区間は、どの選手もレバーを全速に握っているので、モーターの比較がやりやすい」とのことでした。選手も「勢いの良い選手は誰か」を、ここでチェックするそうです。
●周回展示でキャビってばかりだと見切り
スタート展示が終わると周回展示に入りますが、バック水面に回った選手のほとんどがモーターの後ろの方を触っています。燃料を送り込む量を調整するためにニードルを触っているのです。本番レースと違った調整で走るので、展示航走は見ても意味がないという選手もいます。しかし、見ないよりも見た方が得です。「気をつけてターンをする」といったタイプは本番レースよりも周回展示は慎重なターンです。「掛かりを確かめる」タイプは全速です。2つの違うタイプが展示航走をすると、全速の方がよく見えるものです。選手によって違いがあっても、展示航走の3回のターンで失速気味の選手は、モーターの調整がうまくいっていないパターンです。本番レースの上位着は期待できません。
特に女子選手は周回展示のターンで大きな差が出ます。ターンマークとの距離感をつかめていない選手は、本番レースでまともなレースができるはずがありません。
1947年福岡県生まれ。「競艇専門紙・ニュース」を経て、現在は「マンスリーBOAT RACE」のライターとして執筆活動のほか、レジャーチャンネルでのレース解説、BTS市原、岡部、岩間などで舟券塾を定期的に開催している。「舟券を獲る最強の教科書」(サンケイブック)「よくわかるボートレースのすべて」(サンケイブック)などボートレース著書多数。