選手にも働き方改革を

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記者は生まれ変わってもボートレーサーになろうとは思わない。「まず体重を50キロ台に落としてから言え」などという苦情は受け付けない。今はやりの異世界転生ものではないが、スリムに生まれ変わって、そこそこ強い(A1級くらい)選手になれるとしても、ならないだろう。一番の理由は拘束時間の長さだ。A1級レーサーの場合、大体1か月で3節あっせんが入る。6日間開催の場合、前検日も入れて拘束時間は7日間。6日間開催が3節入った場合、1か月で21日間拘束されることになる。

「月21日出勤なら普通じゃん」と思われるかもしれない。たしかに一般企業ならそうだろう。ただ、一般企業は1日8時間働いて、残りの時間は自由である。しかしボートレーサーの場合、レース中は選手宿舎とレース場から出ることはできない。外部との接触も禁止、スマホも禁止、飲酒も禁止。宿舎にいる間も労働時間と考えて間違いないだろう。消防署で働く隊員は24時間勤務をした後、2日間休む。これが基本的なローテーションだという。1日8時間労働とすれば、24時間は3日分。24時間連続で働いて、2日間休むというローテーションは理にかなっている。

藤原邦充

藤原邦充(ふじわらくにみつ)。1974年生まれ、出身は香川県観音寺市。近畿大学を卒業。就職浪人の末、98年に報知新聞入社。芸能社会、中央競馬、ボートレース(1年だけ)、一般スポーツを経て05年から2度目のボートレース担当に。競輪担当になって観音寺競輪を取材することが夢だったが、無念の廃止に。