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8月6日から11日までPGI「第39回レディースチャンピオン」、11月3日から8日までGI「浜名湖賞」(開設72周年記念)が開催されるボートレース浜名湖(浜名湖競艇場/BOATRACE浜名湖)。
浜名湖の南西側に位置する競走水面は全国有数の広さです。2マークのバック側彼方に富士山が見え、新幹線の車窓からもレース場のスタンドと水面が見えます。水面が広いため、スピード戦が繰り広げられます。競り合いも起きやすく、まくり差しの入る展開が多くなるのが特徴のひとつです。夏は向い風、冬は追い風が吹く日が多く、季節によってレース展開ががらりと変わります。
コースの全長は545m、幅170m。全国でトップクラスの広さを持つレースコースです。
水質は海水と淡水が混ざった塩分濃度の高い汽水です。1マークと2マークの後方から水の出入りがありますが、潮位差は60cmほどでレースに大きく影響を与えることはありません。
レースに最も影響するのは風です。夏は遠州灘からの湿気を含んだ向い風が吹くので、スロー勢の加速が悪くなり、ダッシュの出番もあります。冬の追い風はかなり強く吹く日もあり、1マークのターンが流れます。
水面が広く乗りやすいこともあって、ダッシュからの攻めにもスローのレーサーがスピードをつけたターンで受け止めにいくことが可能です。スピードターンになると旋回半径が大きくなり、隊形がバラけてまくり差しが入り込むスペースができます。
進入に関してはピットから2マークまでの距離が152mあり、ピット離れの良し悪しでコース取りも変わってきます。
浜名湖 2024年1着決まり手(%)
コース | 1着率 | 2着率 | 3着率 | 逃げ | まくり | まくり差し | 差し | 抜き |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1コース | 52.9 | 18.2 | 7.9 | 49.8 | ー | ー | ー | 3.0 |
2コース | 14.5 | 25.2 | 16.8 | ー | 4.4 | ー | 8.4 | 1.3 |
3コース | 14.1 | 20.8 | 20.7 | ー | 4.5 | 6.9 | 1.1 | 1.1 |
4コース | 10.0 | 17.5 | 20.0 | ー | 4.0 | 3.7 | 1.6 | 0.4 |
5コース | 6.9 | 12.7 | 20.8 | ー | 1.0 | 4.5 | 0.3 | 0.8 |
6コース | 1.5 | 5.7 | 14.0 | ー | 0.4 | 0.7 | 0.2 | 0.2 |
2024年3連単配当分布
配当 | 出現率 |
---|---|
100~990円 | 15.8% |
1000~2990円 | 37.3% |
3000~4990円 | 14.2% |
5000~9990円 | 14.7% |
1万円以上 | 17.9% |
5万円以上 | 1.7% |
水面全体は広いものの、1マークホーム側の幅は42.7mとそこまで広くなく、2024年の1コース1着率は52.9%と全国平均の55.1%を下回っています。
バック側が広く、内側艇も外の攻めにスピードを持って抵抗しにいけるため、まくり差しのスペースができやすく、2024年は決まり手のまくり差しが15.6%と全国トップでした。
決まり手で逃げの次にまくり差しが多いのは浜名湖のみで、さらに、差し(11.6%)とまくり(14.3%)よりも、まくり差しが上回っているも全国で浜名湖だけ。「浜名湖=まくり差し」が攻略のカギを握ります。
特にまくり差しが決まりやすいのが夏。湿気を含んだ向い風によってスタートがばらつき、ダッシュ勢のまくりやまくり差しを誘発します。冬は右後方からの追い風がメインで、逃げと差しを中心に内寄りのコースが有利です。強く吹いて安定板を装着する日もあり、そんな日はモーター調整、スタート勘の修正が求められるため、スタート展示と周回展示を見て、直前気配をしっかり判断したいところです。
浜名湖の公式サイトでは水面のLIVE映像を見ることができます。右横風は大きなスタンドが遮ってくれますが、1マークと2マークで入り込む向きが違うこともありチェックしてみて下さい。
イン1着率は61.1%とそこそこの信頼度がありますが、回収率は90.2%と比較的優秀ではあるものの、100%には届いていません。狙い時を見極めて回収率を上げたいところ。2025年において回収率が高いのは4コース(111.7%)と5コース(161.4%)で、穴狙いの方が妙味がありそうです。
8Rのブレイクタイム戦は1号艇と4号艇にA級を入れた2強対決です。イン1着率は63.2%で4Rのランチタイム戦よりも高いのが特徴です。結果的には「1-4=流」に落ち着いていますが、枠なり進入で中へこみが想定されたら4号艇の1着を想定しても良いかもしれません。
追い風の機会はそれほど多くないものの、当地では非常にまくりが良く決まります。決定率は19.4%。まくり差しが11.3%、差しが11.0%。追い風のセオリーである差しがあまり決まらず、まくりが多いのは要注意です。コース別では3コースまくりが7.8%で、2コースも5.3%と出現率は高め。特に2コースまくりでは1コースを潰す傾向があるので、好配当出現率がグンと上がります。
まくり差し決定率19.6%。日本一のまくり差し水面といわれる一番の要因がこの風です。夏場に多く吹き、3・5コースの一撃が見どころです。出目的には③-①や⑤-①が中心ですが、隣が攻めたところまくり差す③-②や④-③、⑤-④なども注意が必要で、こちらのパターンが配当的にはうまみが高いです。
季節別勝率傾向(%)
進入 | 春 | 夏 | 秋 | 冬 | 1 | 49.4 | 52.9 | 54.0 | 57.3 | 2 | 13.8 | 13.8 | 13.2 | 14.2 | 3 | 15.8 | 13.6 | 11.9 | 15.8 | 4 | 12.2 | 10.8 | 10.7 | 9.2 | 5 | 7.3 | 8.2 | 9.8 | 4.7 | 6 | 2.4 | 1.5 | 1.4 | 0.8 |
3月は季節風のせめぎ合いです。春一番が吹くかと思えば、寒の戻りもあります。風が日替わりで変わるのでスタートが難しくなります。スタートがばらつくことが多くなり、まくり差しが決まります。
追い風はイン有利ですが、広い浜名湖水面を吹き抜ける風は5mを超える日もあります。安定板を装着する日は差しが決まるようになります。
夏場になると1マーク方向からの風が強くなります。ホーム向い風になるので、ダッシュ勢の出番が多くなります。まくりをマークしたまくり差しも決まります。まくり差しで1着に抜け出すと高配当になります。
スタート展示で気配の良いレーサーがいれば、コースに関係なく3連単の軸艇におすすめです。2マークで流れる選手も出やすく、道中逆転も多くなります。
モーターのパワーも上がり、スタートとスピードで攻める選手が主導権を握ります。水面も波立つことがないので、スロー勢もダッシュ勢もスピードターンです。これが1マークの競り合いを呼び、5コースあたりからまくり差しに構えた選手が抜け出して高配当が飛び出します。
舟券作戦は1号艇を絡めたボックス買いが有効です。
晴天の日はバック側の彼方に富士山が見えます。そんな日は決まって強い追い風が吹きます。安定板を装着してレースをする日も多くなります。アウトからのまくりは決まりづらくなります。インからスタートを合わせた選手が主導権を握るレースです。
1マークの水面が荒れれば、ターンで流れる選手も多くなり、パワーのあるモーターが差し抜けます。
①アタマで回収率が100%を超える出目は、①-⑥-②④⑤の3点のみ。①-⑥-②は9,680円、①-⑥-④は12,425円、①-⑥-⑤は18,057円と平均配当がいずれも高く、出現率とのバランスで大台を突破します。
出現率と回収率のバランスで見ると、オススメは②アタマ。②-①-③は出現率が2.3%と高く、回収率も100.4%を記録。②-①-④は出現率1.7%に対し、回収率は101.8%。これよりも出現率はやや下がるものの、回収率が跳ね上がるのが②-③。②-③-④⑤⑥は回収率100%超え、中でも②-③-④は150%オーバーと抜群。2コースまくりが決まった時にはスジ目で狙える舟券です。
レース番号別の傾向
レース | 1着率(%) | 全国順位(/288) | 1 | 51.2 | 175 | 2 | 41.0 | 255 | 3 | 38.1 | 266 | 4 | 62.1 | 95 | 5 | 51.8 | 166 | 6 | 43.2 | 238 | 7 | 48.8 | 190 | 8 | 62.8 | 87 | 9 | 54.5 | 145 | 10 | 54.1 | 150 | 11 | 63.6 | 80 | 12 | 69.4 | 50 | 全 | 53.3 | 18/24 |
レース番号別にみていくと、まず朝イチはインが50%超え。基本的にはオールB級のレースとなりますが、実力が拮抗するからこそインが勝ちやすい側面はあります。7Rまでは企画レースが行われる4Rを除き、イン信頼度が低めのレースが続きます。なかでも3Rはイン1着率が40%を切り、全国のレース番号をランキングにした時、288レース中266位というイン信頼度の低さ。穴党が狙うべきレースがこの3Rです。
2つ目の企画レースとなる8R終了後はイン中心のレースが続きます。特に終盤戦は70%近いイン1着率となり、ネームバリューの高い選手やその節好調な選手が集まるので、初心者でも舟券が狙いやすく、レースも見応えたっぷりです。
・2024年
川井萌、刑部亜里紗
・2021年
石原翼、川島拓郎
地元が将来性を期待して推薦するフレッシュルーキー、浜名湖は女子レーサーへの期待が高いように感じます。静岡支部は歴代、強豪女子レーサーを多数輩出しており、現在は長嶋万記、三浦永理を筆頭に、21人の女子レーサーが所属。2022年の森下愛梨から、大石真央、刑部亜里紗、川井萌と毎年女子を1人以上推薦しています。
なかでも川井はフレッシュルーキーを1年で卒業し、2025年はトップルーキーに昇格。PGIスピードクイーンメモリアルでは優出(失格)し、GIIレディースオールスターではドリーム戦に選ばれ、SGボートレースオールスターでもSG初1着の水神祭を達成しました。飛ぶ鳥を落とす勢いで人気と実力を高めているところでしたが、7月に怪我をしてしまい、現在療養中。復帰が待たれるところです。
レースコースがとにかく広かったです。広い方が引き波の影響が小さく、スピードを持ったターンに挑戦できます。この水面で練習できる静岡支部は良い環境だなと思いました。また選手宿舎が完全個室で、気を使わずマイペースに過ごせるので快適でした。
1マークのホーム側はターンマークをスタンド側に振っているため、走ってみるとやや窮屈です。スタートをしっかり踏み込まなければ、1コースでも包み込まれてしまいます。水面が広いからと1コースも強いと思い込むのは間違いです。ご注意下さい。
ボートとボートの隙間を引き波を越えて入るまくり差しは、他の決まり手よりも難易度が高いため、決まった時は嬉しかったです。見た目にも鮮やかなまくり差しで良い配当を当てて大喜びしましょう。
・水質は汽水(海水と淡水の混合)。夏は向い風、冬は追い風が多く、季節でレース傾向が大きく変わる。特に夏の向い風ではまくり差しが多発し、外枠勢の活躍が目立つ。
・全国で唯一、まくり差し(15.6%)が差し・まくりを上回る特異な水面。
・まくり差し時の基本は①を2・3着に残す舟券。高配当になるのは、まくった艇の隣が残る舟券(③-②、④-③など)。
・1号艇アタマで回収率100%超は①-⑥-②④⑤。
・2コースの②-①や②-③も回収率が高い出目。なかでも「②-③-④」は回収率150%超で高配当が狙える。
・浜名湖では毎年女子選手をフレッシュルーキーとして推薦。2025年の注目は刑部亜里紗、前年推薦の川井萌はトップルーキーに昇格し、大きく飛躍を遂げたが、現在は怪我で療養中。
◎菊地孝平、河合佑樹
○佐々木康幸、谷野錬志
△坪井康晴、深谷知博
×服部幸男、徳増秀樹
注 池田雄一、板橋侑我
優勝候補の筆頭は、やはり菊地孝平か。一般戦回りが続くが、その存在感はひときわ目を引く。河合佑樹は徳山オーシャンカップで優出を果たしてリズム好転。念願のオール静岡優勝へ今回こその思いで臨む。佐々木康幸と谷野錬志は目下A2級も、今期勝率は7点オーバーと勢いに乗るだけに、軽視は禁物だ。
◎太田和美、西村拓也
○秋元哲、片橋幸貴
△市川哲也、岡祐臣
×大澤普司、金子賢志
注 上田健太、石本裕武
太田和美は今年5月、西村拓也は昨年10月に当地前走でV。両者が激しく火花を散らすとみるが、現行エンジンを経験している太田にややアドバンテージがあるとみる。一角を崩すなら、秋元哲か。今期に入って8点近い勝率をマークと乗れている。当地連続優出中の片橋幸貴も負けじとV戦線を盛り上げる。
◎小池修平、宮之原輝紀
○吉田俊彦、永田啓二
△山口達也、中嶋健一郎
×石田章央、石原翼
注 中村魁生、松本純平
小池修平はとにかく浜名湖と水が合う。20年以降の8節で6優出2優勝と実績は断然。Vへの最短距離に立つのは間違いない。宮之原輝紀が最大のライバル。こん身のスピード戦で渡り合う。吉田俊彦は浜名湖に苦手意識も、今年1月の前回戦を優勝して克服した。ベテランならではの手腕で勝機を探り出す。
(マンスリーBOAT RACE編集長 土屋幸宏)
1984年宮城県生まれ。早稲田大学卒業後、北海道新聞記者を経て、2011年にボートレーサー(109期・埼玉支部)になる。2019年に引退し、現在はマンスリーBOAT RACE編集長となり、『ボートレース学習塾』の連載や『土屋幸宏ボートレース24場攻略ガイド』を出版。ボートレース場の公式YouTubeチャンネルにも出演し、“新聞記者&レーサー”としての経験を基に、ボートレースを分かりやすく伝えることをモットーとして活動する。
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