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ボートレースでは、フライングスタート方式というスタート方法をとっている。スタートラインよりも前から助走をつけてスタートをし、一定時間までにスタートラインを通過するというものだ。ボートレースの醍醐味ともいえるスタート方式で、フライングすれば舟券にも大きな影響を及ぼすためスタート時は多くのファンが注目している。本記事では、ボートレースを楽しむ上で覚えておきたいフライングスタート方式のルールや、フライングについて解説する。
フライングスタート方式は、ボートレースで用いられる独特のルールだ。一定の時間以内にスタートラインを越えるのがルールで、大時計が0秒から1秒を指す間にスタートラインを通過するというもの。大時計が0秒を指すより少しでも早くラインを越えてしまった場合はフライング(欠場扱い)となる。
ボートにはブレーキがついていないため、フライングしそうだからといって止まることはできない。選手の感覚や風、水面の状況などでスタートが荒れるなどさまざまな状況でも対応してスタートは入れなければならない。もし、フライングを切ってしまった場合は賞典除外となり、即刻レースから離脱しなければならない。
大時計が0秒になる前にスタート(もしくは0秒ぴったりでスタート)すればスタート成功、0秒よりも前にスタートラインを越えてしまうとフライングとなるが、1秒以上遅い場合は出遅れとなり、F同様30日の休みが付く。ただ、エンストなどを起こし、スタートができないこともある。この場合、自身の過失でなければ選手責任外でペナルティーを与えられることもない。
フライングの場合はFが出走表に表示され、出遅れの場合はLが出走表に表示される。
ボートレースで採用されているフライングスタート方式は、決められた時間までにスタートラインを越えていることが条件となり、助走する距離などは毎回違う。競馬や競輪などはスタートラインに並んだ状態でスタートするため、他の公営競技には見られない方式だ。
フライングスタート方式は、スタートタイミングがとても難しいものだからこそ、出場選手たちはスタートの練習を欠かさず行っている。また、スタートは1回だけできればいいというものではない。
最大で7日間開催されるレースの中で、2回、3回と0秒ぴったりにスタートラインに乗れるように毎回努力をしている。それでも長年ボートレーサーとして活躍している選手でも、全くフライングしないということはない。
選手がフライングをすると、舟券は全てオッズが変動する。転覆や事故艇が出た場合、選手に事故点は付くがオッズに変動はない。しかし、フライングの場合は欠場扱いとなるためオッズが変動。払い戻し額も変わってくる。また、フライングの回数が3回以上になると長期の休養を余儀なくされることに加え、事故点も膨大になる。そのため、選手生命の危機にもつながる。
フライングをすると返還手続きが行われレース場の売上が減ってしまう。選手にもペナルティが課せられ、最大で35日休まなければならない。
そしてフライングの種類は2種類あり「通常のフライング」と「非常識なフライング」がある。大きな違いは選手に課せられるペナルティの違いだ。
通常のフライング:30日間休み
非常識なフライング:35日間休み
通常のフライングは、0.01〜0.04秒までのことを指している。非常識なフライングは0.05秒以上早くスタートラインを通過していることだ。通常のフライングでも罰則はあるが、非常識なフライングに対してはより重い罰則が課せられている。
最大35日間の休みは、1回目のフライングに対しての罰則だ。1節間の間に何度もフライングしてしまうこともあれば、すでに斡旋されている他のレース会場で2回目、3回目のフライングをしてしまうこともあるだろう。その場合は、休まなければいけない日数がどんどん加算されていく。
1回目のフライング:30日間
2回目のフライング:60日間
3回目のフライング:90日間
期間中に1本切れば30日の休み。2本だと30日+60日で合計90日(3ヶ月)の休み。3本だと30日+60日+90日で合計180日(半年間)の休みとなる。なお、F4は事実上の退会勧告となっており、過去の事例はない。
フライングすると、選手は規定の日数休みをとることになり、レースに出場することができなくなる。何回フライングをしても同じことだが、休みのタイミングは選手自身が決めることはできない。現在斡旋されているすべてのレースに出場後から休みとなる。
ボートレースは1年で2つの級別審査期間がある。前期が5月1日~10月31日(適用:1月1日~6月30日)、後期が11月1日~4月30日(適用:7月1日~12月31日)だ。例えば5月1日にコンマ01のFを切ってしまった場合、現在残っている斡旋レースを消化後30日間のF休みに入り、10月31日まではFが付いた状態で走り、11月1日にフライングはリセットされる。期始めにFを切ると選手は2本目のFは極力切りたくないため、スタートを控える傾向にある。そのため、成績を落とす選手もいる。
また、10月31日に切った場合は翌日(11月1日)にFはリセットされるが、F休みは残っているので新期に入ってから休みは消化しなければならない。
基本的にSGやGIレースに出られるのはA1級で、A1級を維持するためには級別審査期間内に90走しなければならない。だが、そこに長期のF休みが入ってしまうと90走に届かなくなるケースが出てくる。実際問題として25年には前年のグランプリ覇者である毒島誠が26年前期審査期間中に2本Fを切り、出走回数不足と高い事故率のためB2級に降格することが確定的になってしまった。
そのため毒島はしばらくの間、SG、GIレースには出られなくなる。
ボートレースは、1年を通して一般戦からGⅡ、GⅢなど様々なレースがある。中でもファンを熱中させるのがGIとSGレースで、トップレーサーが斡旋される人気のタイトルだ。だからこそ、GIやSGの準優や優勝戦でフライングをおかしてしまうと、重い罰則が待っている。
・SG優勝戦:2年間SG・GI・GⅡレースの出場停止
・SG準優戦:1年間SG・GI・GⅡレースの出場停止
・GI優勝戦:12か月GI・GⅡレースの出場停止
・GI準優戦:6か月GI・GⅡレースの出場停止
GIやSGでのフライングはそもそも罰則が重かったが、2023年の3月にボートレース公式で示された条件はより厳しいものとなった。すでにフライングをもっている選手は、スタートがより慎重になる。予想するときはそういった点も考慮して考えるといいだろう。
フライングはそもそも罰則が厳しいが、通常のフライングも非常識なフライングも同じ節間に2回以上フライングをしてしまうと即日帰郷となる。即日帰郷となった場合でも、フライング休みはすぐにというわけではなく、斡旋されているレース終了後からとなる。
・現役レーサーの中でフライング回数が多いのは、田頭実選手だ。元々フライングのイメージが多いファンも少なくないはず。
・歴代1位はすでに引退している上島久男選手で、フライング回数は94本。これまでどの選手もこのフライング記録を塗り替えていないが、今後現役選手が抜かす可能性はある。
・女子レーサーは、現時点で高田ひかる選手がフライング回数が多い。何と2021年には年間で4本のフライングを切った。「まくり姫」の愛称で人気のあるレーサーだが、その代償にスタート事故も多くなっている。
・ボートレーサーは皆個人事業主のため、フライングをすると収入がなくなる。フライング休みの期間が長ければ長いほど収入のない期間が長くなるため、アルバイトをするレーサーは多い。
・したがってフライング休み中、選手はアルバイトをしても問題ない。
・フライングによる最高返還額は2002年にボートレース宮島で行われたグランドチャンピオンで1号艇の西島義則選手、2号艇の熊谷直樹選手がフライングとなり、この時は24億円以上が返還。恵まれの形で今垣光太郎選手が優勝した。
・なお、フライングではないが2021年に行われた第36回グランプリの優勝戦では1号艇の峰竜太選手がスタート後にターンマークに当たり転覆。2号艇の丸野一樹選手と3号艇の平本真之選手、さらには6号艇の毒島誠選手も乗り上げて転覆した。この事故を回避した4号艇の瓜生正義選手と5号艇の白井英治選手はなんとか転覆せずにゴールできたものの、3連単と3連複は不成立となり、約41億円が返還。史上最高額の返還となっている。
フライングはスタートを積極的に仕掛けた結果ではあるが、選手としては賞典除外、F休みが付き、レース場側としてはその選手に関する舟券は返還となるため、かなりの痛手となる。
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