グランプリで見た歴史的な優勝と王道の優勝

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アメリカに女性大統領は生まれなかった。様々な要因があるとはいえガラスの天井は厚かった。鵜飼菜穂子さんがこの言葉を口にしたのを思い出す。引退の際に自分の選手人生を振り返ると、そこには厳然とした強豪男子の壁が立ち塞がっていたからだ。

その後、遠藤エミのクラシック制覇があった。ガラスの天井に風穴を開ける快挙だったが、冒頭の一文になぞらえるには、賞金女王を飛び越えて賞金王に輝く必要があるか。男女のツアーが独立しているプロゴルフでは、もう何年も男女の獲得賞金が逆転している。今年は女子の賞金トップが、男子の倍以上を稼いでいる。日本ならではの現象かもしれないが、女子選手人気はボートレースも同様だ。

もっともボートレースは、いわば同じ土俵で戦うし、その中の選手数が男女で大きな開きがある。男女比的には政治の世界に近いのでは…なんて再び冒頭の一文に近づくが、遠藤エミはあの年、選出13位でグランプリのトライアルに行った。女子レーサーが賞金トップになる確率はゼロではない。スポーツの歴史は未踏の記録を塗り潰してきた歴史でもある。その代表的なものがボートレースグランプリにあった。

初出場者は優勝できない。