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形勢一転。
一発逆転。
今年前半で印象的だったボートシーンに、ウエスタンヤングの優勝戦がある。新開航が初体験のチルト3度を使いこなして、6コースまくりを決めたあのレースだ。
唐津の開催。佐賀、佐賀、佐賀のシリーズだったが、新開は最後の最後で大勢を覆した。外様で機力劣勢に立たされながら、ぶっつけの取り付けを見事に当てた。チルト3度を専門にする選手はいなくなっても、隠し芸にする選手はいる時代。とはいえ注目度の高い一戦で、これほど鮮やかに戦法・戦略がハマるとは!飛び道具のイメージが強く、6コースとセットになりがちなチルト3度だが、この取り付けとともにSGタイトルを奪取したケースは、これまでに一度しか記憶にない。しかもその時は6コースでも、ダッシュ戦ですらなかった。
◎第2回オーシャンカップ競走
平和島(優勝戦・97年7月21日)
①太田和美(大阪)233141
②熊谷直樹(北海道)112311
③濱村芳宏(徳島)411121
④野長瀬正孝(静岡)542122
⑤植木通彦(福岡)5211452
⑥池上裕次(埼玉)133112
チルト3度の主は熊谷直樹。ここまでの進入は424642コース。初戦を1.5度でまくったものの、そのアシに物足りなさを感じて、2日目から3度に上げた。そして2コースから強烈な差しを決め、3日目は2・3着とはいえ競った結果。競り負けた松井繁の「熊谷さんの回りアシは凄い」の言葉を待つまでもなく、本人は「ここで周年を取った時より出ている」。その2年前はオール2連対でGI初優勝、つまり超抜を実感していた。
モーターの取り付け位置が違っていた。チルト3度が伸びに特化するのは後のこと。むしろプロペラを回してコーナーを軽快にする効果が狙えた。この優勝戦における他5選手のセッティングを見ても、太田、濱村が1度で、野長瀬、植木、池上は1.5度。ここらあたりが主流だった。2度、3度は少なくても希少というほどではなく、大森健二、西島義則といったインタイプの選手が、3度にしたシリーズだった。
熊谷は3勝目を強ツケマイ、準優ではインを置き去りにした。決戦前日のインタビューでは「伸びは池上と一緒でも回りアシは節一」と言い放ち、直前の控室では「ここは平和島、絶対に勝つ」と自らに言い聞かせた。因みに池上裕次のモーターは、使用2節ながら2連対率94%。B1級選手で準優勝、A2級選手なら準パーフェクト優勝という、すこぶるつきの評判機だった。こちらも「こんなアシは初めて」と乗り手絶賛も、熊谷はそれをも凌駕していた。
平均年齢29.3歳。全員が3千番台で争われた初めてのSG優勝戦は、濱村のイン取りで始まった。熊谷は無理に付き合わず2コース進入。回り込んできた植木までがスローに並んだ。そして大きく引っ張って太田、野長瀬、池上の3対3の進入隊形。そこからの熊谷が物凄かった。
インの濱村がスリット先手。「いいスタートが行けたが」別に落としたわけでもなかった。熊谷は3分の1艇身ほど後れを取っていた、その後だ。グングン出ていき内を飲み込んだ。みるみる外は引き離された。楽勝のまくりになった。ターンの返りも申し分なかった。一瞬迫った太田のまくり差しも「見えなかったですよ」と簡単に止めた。熊谷の独壇場になった。
「北海道へ届け、熊の雄叫び。やった~、やった~」
最終バック、実況のボルテージがヒートアップする中を、熊谷は独走していた。後方では伏兵の野長瀬が人気の植木を制して二番手を確保、ヒモ荒れの決着となったが、勝者は堂々1番人気に応えたのだった。
続きはスタンダードコース
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