ボートレース若松優勝選手
平成25年7月28日
SG第18回オーシャンカップ
約3年7か月ぶり! 松井繁が久々のSG戴冠!
SG通算10Vの“大海賊”が、新たに1つ大きなお宝を獲得――。若松ボートを舞台に全国の強豪選手が熱戦を繰り広げた「SG第18回オーシャンカップ」は28日、最終12Rで優勝戦が行われ、圧倒的1番人気に推された1号艇の松井繁(43歳=大阪)が期待に応える勝利。1周1マーク、イン先マイが流れて峰竜太に差し込まれ並ばれたものの、2マークでは意地の差し返しで先頭奪取。SGは約3年7か月ぶり、オーシャンカップは4回目のVとなり、賞金ランキングも4位まで浮上した。
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優勝戦1周2マーク。峰竜太と湯川浩司を差し切って、白い勝負服が先頭に立つと、すさまじい大歓声が若松のスタンドに響いた。
「松井ー!」「松井ー!!」。男の名を叫ぶ声が何重にも重なっていた。
レース後の表彰式でも、ステージにその男が現れると、揺れるような歓声が沸き起こった。「おめでとう!」「やったー!」。約3年7か月ぶりのSG制覇。待ちに待った瞬間、松井繁の多くのファンは喜びを爆発させていた。
本場、全国各地、さまざまな場所で松井の優勝を共に喜んだ人は多いのだろう。
「涙が出そうだった……。松井さんが優勝できて本当よかった」。以前からずっと松井を応援している若松場内スタッフのリーダー格の女性も、そう話してくれた。溢れる感動は隠しきれない、そんな様子だった。
松井は言う。「こんな僕でも、応援してくれる人がたくさんいる。苦しい時、心がめげそうなとき、温かい声援で頑張ることができた」。優勝戦を終えて、各メディアから多くのインタビューを受けていたが、何度も“ファン”という言葉が口から出てきた。自分を支持してくれる人、応援してくれる人達のことを絶対に忘れず、松井はここまできたのである。
ただ、だからこそ、そういう人を喜ばすために負けられないというプレッシャーが大きいのも確かだ。優勝戦1周1マークはハンドル操作ミスをした。イン先マイしたが懐を空けすぎて、他艇に並ばれた。「負けれない気持ちで緊張していた。1マークは素人のようなターンだった」。松井は自虐的に言った。歴戦の猛者の彼でも、重圧をはねのけるのは決して簡単なものではなかったのである。「でもそれでも、やるしかない。逃げられない(立場に)自分がいるんです」。2マークではしっかり冷静さを取り戻して、渾身の差しハンドルで他艇をさばいてトップを掴んだ。魂の走りを見せた。「1マークは反省点だったけど、2マークは良かった点だと思う。結果が出て本当良かった」。最後はさわやかな笑みと安堵の表情を浮かべて、男前がますます男前になっていた。
SGオーシャンカップ優勝・松井繁。SGがほんとによく似合う、夏のオーシャンもよく似合う、そう思わされた6日間だった。
今回の優勝で賞金ランキングは4位へランクアップ。12月賞金王決定戦出場へ視界良好となった。賞金王の舞台にこの男はやはり欠かせない。
「次のMB記念はもちろん、これからも全力で頑張ります!」。表彰式の締めくくりにそう高らかに宣言すると、ファンの盛り上がりは最高潮に到達した。
久々にSG美酒を味わい、完全に勢いを取り戻した松井。今後もファンの声援を力にしながら、暮れの住之江へと突き進んでいく。