ボートレース若松優勝選手


王冠過去の優勝選手

平成25年4月26日
第40回しぶき杯争奪戦競走

力量を見せつけた! 主役・吉田拡郎が今年初V!

吉田拡郎

4166 吉田拡郎(岡山)

26日に若松ボートで行われた「第40回しぶき杯争奪戦競走」の優勝戦は、1番人気の1号艇・吉田拡郎(31歳=岡山)がイン逃走を決めてV。外枠選手の急な前付けや、強めの向かい風といった不安材料は払拭し、その実力を示した。今大会が始まる直前に31歳の誕生日を迎えたカクロー。新たな1年は幸先良く、そして力強い船出となった――。

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スタート展示の進入隊形は123/456。きれいに3対3の枠番通りに収まっていた。

ところが、本番は急転した。

1425/36という並びに変更。4号艇の渡邉英児が急に2コースまで前付けに動きだし、それに5号艇の山地正樹も呼応して内側へ侵攻したのだ。スロー水域を得意とする2人が、やっぱり黙って外にはいなかったのである。結局、穏やかだったスタ展とは一変。もし、吉田の頭舟券で勝負していたら、嫌な汗が出そうな展開である。吉田は前付け艇を牽制するせいで、早めに1コースに入ったので、起こし位置は前方へ流れ気味。しかも当日は安定板をつけるほどの向かい風が吹く難水面。いくらスタート力に定評ある吉田といえども、何が起こるかは分からない。穴党は色めき立つ。水面際には落ち着かない様子で体を乗り出して、コース争いを見守るファンが何人もいた。

ただ、渦中の吉田は、いたって平然だった。「渡邉さんや山地さんが前付けに来るかもしれないことは考えていました。それも想定して今日はインの練習をしてましたし、動揺はなかったです」。あっけらかんと言ってのけた。

レース前にしっかりとこなした練習。それが吉田の1番の自信となり、何事にも動じない揺るぎない強さとなっていた。

負けない。インからスタートをきった吉田はしっかりと1マークを先マイ。今節は1コースに入って3戦3勝。勝率100%のインモンキーを打つ。速い。ただ、3コースから金子龍介が渾身のマクリ差しで吉田の懐を狙ってきたのは少しヒヤリとさせられた。無事に抑えたが、金子のマクリ差しタイミングをズラすために「もう少しゆっくりターンしても良かったかも」と振り返る吉田。高い次元で100点満点のイン戦とは言い切れないようだったが、それでも1マークで金子を振り切って勝負を決める姿は見事だった。

今節は初日ドリーム戦1号艇に抜てきされ、戦前から主役とみられたが、その役目をしっかりと果たした。序盤はエンジンに自信が持てずにいたが、SG戦で鍛えてきている格別のハンドルさばきで着をきっちりとまとめた。予選トップ通過→準優1着→優勝戦1着。完勝。レース前の練習を怠らないし、機力も最終日には満足できる域まで上昇させた。強い吉田の姿を見ることができた一節だった。

今回の若松が今年初V。今節が始まる直前の4月18日に誕生日を迎えたばかりの31歳。新たな1年は幸先良い感じだ。「誕生日のことも触れてくれて気分高まりましたわ(笑)。今年は、去年よりいい成績を残したいですね。もちろんSG勝ちたいですし、賞金王の12人をそこを目指していきます」。優勝後のピットではあちこちで笑顔をこぼしていた吉田だが、最後はしっかりと前を見据えて目標を述べた。

吉田といえば、昨年の総理杯(戸田)の大活躍が記憶に残っている人も多いだろう。それからSG戦にも定着してきて、強いオーラもまといだし、今後はますます活躍が期待できる。

「またオーシャンカップで若松来ます!」

そう元気に言い残してピットを颯爽と後にした児島の若手エース格。7月の大舞台に、また一人楽しみな存在ができた。


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