レース後の展開解説は誰でもできる

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レースが終わると突然饒舌になるお客さんがます。リプレイでも始まれば、それこそ走る前から「分かっていた」といった顔で解説します。実況画面でも解説者がリプレイ解説をやります。お客さんの話も、解説者の話も大して変わりません。その理由は航跡を後付けでしゃべっているだけだからです。1コースが逃げたレースなら、「1号艇がスタート決めたので、2コースはまくりができないと思って差しに回り、3コースは先に差されたのでやむなく全速で回した」と、航跡についてしゃべっているだけなのです。CMではありませんが、「分かっているなら、早く言ってよ」の世界です。レース後の解説につい、まったく意味がないとは言いませんが、やって欲しかったのはレース後の解説ではなく、レース前の展開想定です。

レース後によくしゃべる人は、レース前は「あれも、これも怖い」と結論をボカすか、ほとんどしゃべらないかです。大切なことは可能性の高い展開を提示し、オッズとの兼ね合いまで踏み込まないと解説になりません。一番避けたいのは、見落としです。どれだけ的確に想像力を広げるかです。

桧村賢一

1947年福岡県生まれ。「競艇専門紙・ニュース」を経て、現在は「マンスリーBOAT RACE」のライターとして執筆活動のほか、レジャーチャンネルでのレース解説、BTS市原、岡部、岩間などで舟券塾を定期的に開催している。「舟券を獲る最強の教科書」(サンケイブック)「よくわかるボートレースのすべて」(サンケイブック)などボートレース著書多数。