多場発売が舟券への集中力を欠く

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多場発売が舟券への集中力を欠く

ボートピアや本場で他場発売が始まった当初は、一般戦でも超高配当が飛び出していました。それまで1つのレース場だけに集中して舟券を買っていたものが、好きなレース場を選べるようになると、どうしても舟券に対する思考が浅くなります。1場なら専門紙を購入して時間を掛けて舟券を検討していましたが、それをしなくなったのです。1号艇にA1級をシードする番組が増えれば増えるほど、1コースに入った選手、A1級の選手の2つの軸を中心に舟券を組み立てるようになります。1コースが負け。A1級が負けると超高配当が飛び出すわけです。

ネット投票が持つ危うさ

さらに拍車を掛けているのがネット投票です。ネット投票はスマホを使って舟券を購入します。投票サイトには出走表もありますが、スクロールする手間もあって、ついつい選手の名前で舟券を買うようになります。周回展示を見ている人が何名いるでしょうか。舟券購入が簡単になればなるほど、舟券作戦に掛ける手間を省くようになるのです。必ず、そこに「見落とし」が出てきます。それが積もり積もることで、一つ歯車が崩れると超高配当が出すわけです。

「軽薄」の裏を突け

超高配当が飛び出す背景になっているのが、舟券作戦に対する軽薄さです。専門紙のデータも見ず、スポーツ新聞のインタビューやモーター評価にも目を通さず、安易に舟券を買う人が増えているからです。ボートレースの配当は他人のお金をもぎることで成り立つものです。軽薄な舟券を買う人の逆を突くことで、ネット投票の人が見落とした舟券を的中させることができるのです。ボートピアでも特定のレース場に集中して、展示航走をしつかりと見て舟券を買うこと勧めます。

桧村賢一

1947年福岡県生まれ。「競艇専門紙・ニュース」を経て、現在は「マンスリーBOAT RACE」のライターとして執筆活動のほか、レジャーチャンネルでのレース解説、BTS市原、岡部、岩間などで舟券塾を定期的に開催している。「舟券を獲る最強の教科書」(サンケイブック)「よくわかるボートレースのすべて」(サンケイブック)などボートレース著書多数。