遅れそうで遅れないスタートの遅い選手

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舟券作戦の考える上で基本になるのがスリット隊形です。「スタートが揃えば逃げ有利」「中へこみになればまくり有利」は、舟券作戦のセオリーです。4コースのまくりを誘い出しそうな番組では、2、3コースにベテランを乗せています。ベテランでなければフライング持ちです。こうした組み合わせなら、カドの4コースのまくりを想定して4-5-流を買います。余裕があれば、4-流-5、5-4-流まで手を広げます。1コースがまくられることを想定した舟券なので中穴を期待します。しかし、いざ本番レースになると、スタートで大きく遅れるはずの2、3コースの選手がわずかに遅れる程度です。4コースの選手はまくろうにもまくれず、1コースの逃げで決着します。中穴の狙っても本命で決着してしまうのです。

これは選手に聞いた話ですが、選手はどんな対戦でも負けることを前提にした思考をやらないそうです。万が一、1着を獲れなかったら2着をどうやって取ろうかと考えるそうです。スタートを行かなかったら4コースにまくられて6着になるのがわかっていたら、それを避ける手段を選びます。それがスタートを決める、合わせるといったやり方なのです。走る選手の側に立って舟券作戦を考えることも大切です。

桧村賢一

1947年福岡県生まれ。「競艇専門紙・ニュース」を経て、現在は「マンスリーBOAT RACE」のライターとして執筆活動のほか、レジャーチャンネルでのレース解説、BTS市原、岡部、岩間などで舟券塾を定期的に開催している。「舟券を獲る最強の教科書」(サンケイブック)「よくわかるボートレースのすべて」(サンケイブック)などボートレース著書多数。