チルトの上げ下げはスタート勘を狂わす

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モーターの取り付け角度を変える5角形金属板(浜名湖は6角形)のことをチルトと呼んでいます。チルトは「傾ける」という意味ですが、傾けることで水面に対してプロペラの位置が上下するので、「上げる」「下げる」と選手は呼んでいます。上げれば水圧が低くなりプロペラの回転が上がります。ボートの舳先も浮き気味になります。下げると、これと反対の傾向になります。上げれば伸び、下げれば出足が強くなると覚えておいても構いません。ただ、スタートやターンのやり方が変わって来ます。

出足を強くするとスタートのときにレバーを握ればすぐに反応するので、スタートが早くなります。伸び型だと全速になるのに時間がかかります。同じようなチルト角度ならスタートのタイミングも取りやすくなりますが、毎回変えるとどの位置からレバーを握り込めば良いのか混乱するようになり、スタート勘が狂い始めます。チルトを上げてまくりたいのに、スタートで後手を踏むといったことも起きます。チルト角度を頻繁に変える選手のトップスタートは期待しない方が良いでしょう。毎レースのチルトについては専門紙のガイドに載っています。

桧村賢一

1947年福岡県生まれ。「競艇専門紙・ニュース」を経て、現在は「マンスリーBOAT RACE」のライターとして執筆活動のほか、レジャーチャンネルでのレース解説、BTS市原、岡部、岩間などで舟券塾を定期的に開催している。「舟券を獲る最強の教科書」(サンケイブック)「よくわかるボートレースのすべて」(サンケイブック)などボートレース著書多数。