2021年、活躍した選手は誰?

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銘柄級の地盤沈下、ベテランの復活

今年のSGはベテランの復活が目立ちました。クラシックは石野貴之、オールスターは峰竜太が優勝して、ここ数年の流れのまま行くのかと思われましたが、グラチャンで前本泰和が優勝してから流れが変わりました。オーシャンは濱野谷憲吾が14年ぶりにSG優勝、メモリアルはマスターズCで優勝している原田幸哉、そしてダービーは平本真之でしたが、チャレンジカップは辻栄蔵が16年ぶりにSG優勝に輝きました。すでにピークを過ぎたと思われたベテラン勢の復活が目立ちます。

最高回転を200回転落としたヤマト331型と最低体重を52キロに引き上げたことが大きく影響したと考えられます。これまでの調整ではモーターパワーを引き出せなくなっているので、調整の経験値の高いベテランの出番が増えたということでしょう。大阪支部の地盤沈下が目立ち、中国地区が活躍するようになりました。

ウルトラ伸び型がレースを変える

一方、GⅡ、GI戦線でも変化が起きています。今年の後半期に、佐藤翼大池佑来永井彪也板橋侑我といった特別競走初優勝が目立ちました。これまでの銘柄級が勝てなくなった証拠です。

一般競走では、ウルトラ伸び型が大暴れしました。菅章哉下出卓矢はチルトを上げてまくりを連発、藤山翔大はプロペラと本体調整で強烈な伸びを引き出し、完全優勝もやりました。藤山の影響を受けた高田ひかるも伸び型仕上げで自己最高勝率をマークしています。和田兼輔をはじめ、チルト3度に挑戦する選手も増えてきました。「イン絶対」の流れが崩れ始めたのが今年です。

峰が6年連続勝率1位に可能性

年間表彰では、今年も峰が年間勝率1位に座をキープしそうです。これで6年連続1位をキープして記録更新です。ただ、最多勝利は無理なので、昨年のようにタイトル独占とは行かないようです。1コースから強い峰ですが、ダッシュに回った時の1着数が減っています。まくりよりも差しやまくり差しに構える走りが他の選手に読まれているようです。「最強選手になりたい」と宣言している峰ですが、今のような強さをどこまでキープできるか疑問です。

ルーキーは畑田汰一が獲得賞金でリードしていますが、勝率に不満が残ります。GIにステップアップするには、勝負どころと決める強さが必要でしょう。

桧村賢一

1947年福岡県生まれ。「競艇専門紙・ニュース」を経て、現在は「マンスリーBOAT RACE」のライターとして執筆活動のほか、レジャーチャンネルでのレース解説、BTS市原、岡部、岩間などで舟券塾を定期的に開催している。「舟券を獲る最強の教科書」(サンケイブック)「よくわかるボートレースのすべて」(サンケイブック)などボートレース著書多数。