3カドに“させられる”珍事

{{ good_count }}

この記事は最終更新日から1年以上が経過しています。

進入の駆け引きが競艇の醍醐味のひとつである。とはいえ、枠なり全盛の現代ボートレースにおいては、それを目にする機会はそれほど多くはなくなった。

そんな中、仰天の駆け引きが繰り広げられたのが、12月9日に徳山で行われた一般戦の優勝戦だ。同節は7日間開催の超ロングランシリーズで、準優進出戦を実施。多くの関門を乗り越えたベスト6のメンバーは1号艇から、金子拓矢樋口亮西山昇一茶谷信次佐々木英樹宮地秀祈

スタート展示から動きを見せたのが6号艇の宮地で、内はそろって抵抗。佐々木のみが引いて12346カド5と並んだ。

もちろん本番も宮地が動き、展示同様、内勢が枠番を主張。スロー水域へ5艇がドドドっとなだれ込むのを尻目に、佐々木だけがコース争いを避けて舟を流している。

12346と入ったが、このままでは深くなりすぎるスロー勢。大時計の1分針が動き出す前に、まずは樋口が回り直しを決断。そして1分前に茶谷も回り直し、50秒前にはなんと西山も回り直した。なんと超異例の3艇回り直しとなった。

スローには金子と宮地だけが残り、50秒前の時点で両者ともオレンジブイ横を通過。これではもたないと判断するのも納得できる。結果、単騎ガマシになる予定だった佐々木がまさかの3カドに“させられる”珍事。

最終的に進入は16カド5243の2対4。インの金子は100m、最も深くなった2コースの宮地は80m付近からの起こし。スタートはインの金子とカドの佐々木がコンマ09で通過。しかしスリット後の勢いの違いは明白で、同じタイミングならダッシュ分伸びる佐々木がひとまくり。樋口が差しで迫るが、佐々木を捕らえることはできず。まさかの形で3カドになった佐々木が、絶好機を活かして優勝した。