選手名の呼び方には地方色

{{ good_count }}

この記事は最終更新日から1年以上が経過しています。

【鎌田義】

ファンによる選手の名前の呼び方は、時の流れや土地で少しずつ変化するようだ。

先日引退した鎌田義の名前は「ただし」だが、愛称の「カマギー」の方が有名で、下の名前の読み方を知らないファンもいたほど。引退した名選手でも「リンツウ」(林通)、「セキチュウ」(関忠志)、「ビンジ」(新井敏司)などの愛称・略称は広く親しまれていたが、現役選手でも少し調べてみよう。

まず『ステータス』というべきか、下の名前だけで呼ばれるようになったら一流と言える。「カズミ」(太田和美)、「シンイチロウ」(田中信一郎)、「トモヤ」(山崎智也)などはその代表で、「ノブタカ」(今村暢孝)、「シュンスケ」(守田俊介)、「テッペイ」(石渡鉄兵)、「カクロウ」(吉田拡郎)などもその例といえるか。

苗字はそのまま読むのに、名前を音読みするパターンは、年輩ファンがよく使う。とくに江戸川のファンは大好きだ。「モイチ」(長岡茂一)、「ビケン」(林美憲)、「カンキュウ」(山本寛久)、「ユウショウ」(中村裕将)、「ユウユウ」(中村有裕)、「ジン」(岡村仁)、さらに一般戦クラスでも「(みよし)ピン」(三好一)、「ブンテン」(内山文典)等々。

関西や瀬戸内で多いのが、苗字と名前を略す呼び方だろう。前出の「カマギー」=鎌田義もこの発展形か。「テラショウ」(寺田祥)、「シラケン」(白石健)、さらに若手でも稲田浩二は「イナコウ」、西村拓也は「ニシタク」だから、この先も“伝統”として残っていくに違いない。

九州では有望新人を、早いうちから親しみを込めて愛称で呼ぶ。代表は瓜生正義だ。地元九州では若い頃、「ウリ坊」(猪の子供のこと)などと呼ばれていたもの。寺田千恵も福岡支部の新人だった頃から「テラッチ」と呼ばれていたものだ。

これらは記者が耳にしたものだけなので、他にも各地でいろいろあるに違いない。あるいは仲間内だけでの呼び方もあるか。いつかその呼び方が全国区になる日が来るかもしれない。