~実況アナの穴目八目~

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年末になると、慌ただしく過ごされているファンの方も多いと思います。ちなみに、私・小林アナはBOATRACE三国の「GⅢ新鋭リーグ第10戦」の実況の真っ最中です。それにしても、フライングはないものの、転覆や不良航法などのアクシデントが多く、ファン向けの告知放送が普段の何倍もあるので、かなりドタバタしながら喋っています。

ところで、先月の鳴門に続いて、今月は三国と新鋭リーグの実況が続きました。みなさんもご存知だと思いますが、篠崎仁志選手の優勝した28回大会(桐生)で、新鋭王座決定戦の歴史にピリオドが打たれ、来年度からは「ヤングダービー」という名前に衣替えして、「若手の登竜門」のレースとして位置付けされることになります。

私にとって、「新鋭王座決定戦」は実況アナウンサーとして、全国発売のレースデビューとなった節目のレースでした。津ボートで平成14年1月に開催された「第16回新鋭王座決定戦」。優勝したのが、新鋭戦卒業の年だった瓜生正義選手。4年前の常滑マーメイドグランプリで、既にGI初Vを果たしていて、優勝候補筆頭に相応しい戦いを見せ続けたことが、今でも印象に深く残っています。

本来ならば、将来のSGレーサーを輩出するレースとして、「新鋭リーグ」はありました。この新鋭戦で優勝すれば、GIに出場できるという選手にとって大きなステータスがあって、ファンの間で当時は注目を浴びていました。

しかし、瓜生選手の勝った新鋭王座で走っていた出場選手は、SG・GI戦線で頭角を現し始めたレーサーが多くいました。「近いうちにGIタイトルを獲るのでは?」という有望株も多数いました。その当時に比べると、桐生の新鋭王座出場組はB級に甘んじている選手の姿がかなり目立ちました。やはり、年々進んでいた全体的なレベルダウンの結果が、今回の「ヤングダービー」への移行になってしまったのでは? と思うと、個人的には残念でなりません。来年度からは、「ルーキーシリーズ」が年に10回開催されますが、課題は「優勝したら何が手に出来るか?」というモノを、今後提示出来るかにかかってきます。せっかく、イースタンヤングとウエスタンヤングという新設GⅢ競走があるので、それと関連させた特典が生まれることを期待します。

小林習之

1969年滋賀県大津市生まれ。千葉大学法経学部経済学科卒。1991年に三重テレビのアナウンサーとして入社。1年目に、津ボートレース展望番組「津ボートレースアワー(現・ボ〜っト見せちゃいます。津ぅ)」のMCを担当したのがボートレースとの出会い。1994年にフリーアナウンサーに。テレビ埼玉「レースダイジェストBACHプラザ(現・BACHプラザ)」総合司会やBOATRACE戸田の実況が本格的な公営競技アナウンサーのデビュー。ボートレースの師匠は、スポーツ報知若松担当の井上誠之記者(師弟関係は27年)。また、ボートレース以外はオートレース、高校スポーツ(野球・サッカー・ラグビー・春高バレー)、プロ野球、Jリーグ、海外サッカー(オランダ・ポルトガル)などの実況をこれまで担当。2019年1月、BOATRACE三国の正月開催「初夢賞」をもってレース場メイン担当のアナウンサーを引退。現在は、有限会社アップライトの経営者として後進の指導を中心にあたる。