日刊編集後記
2019/10/3
盛り上がっているラグビーのワールドカップもいいですが、日本では夜中の放映になる陸上の世界選手権、通称「世陸」も見逃せません。今回の開催地は中東・カタール。高温多湿の地です。だから陸上関係者の中には、「来年の東京オリンピックの参考になる」との声も。しかしマラソンや競歩は、深夜の涼しい時刻のスタートだったのに、40%近い棄権者が出ました。マラソンの指導者として著名な天満屋の武重監督からは「二度と選手にこんなレースを走らせたくない」とのコメントも…。これと同じことが、来年の東京でも起ころうとしています。東京では『種々の事情から』朝のスタート。勝負争いが激しくなる時間帯には気温はさらに上がり、「日陰のないコース」に懸念を口にするアスリートもいます。カタールでも東京でもお偉いさんたちは皆、クーラーの効いた部屋でこの状況のレース開催を決めたんでしょうね。選手だけでなく、現場スタッフや、高齢者が多いといわれるボランティアの人たちの身に何もないことを、今から祈るばかりです。