日刊編集後記


2018/7/25

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先日、こんなことがありました。横浜駅の横須賀線ホーム待合室における小さな出来事です。私が乗るべき電車まで座って待っていると、向いの席にご老人が二人。夫婦かと思っていたら違って、男性の方が「私は目が見えないので改札まで連れて行ってくれませんか」と女性の方に頼んだのです。すると女性は「駅員さんを呼んでくるわよ」と言って席を立ちました。ところが夕方のラッシュ時で、駅員さんがすぐに来そうな雰囲気がありません。おじいさんは不安そうな表情で「まだかな…」とつぶやいています。このやり取りを見ていて、「ああ、自分が改札まで連れて行ってあげたらよかったな」という後悔と、「オレが連れて行ってしまったら、このおばあちゃんが駅員さんを呼びに行った後で混乱してしまうのでは?」という懸念が交錯しました。この後引き続いて見ていると、幸いなことに、私が電車に乗る直前に駅員さんが来たのでホッとしました。この間わずか10分ほどの出来事でしたが、「見て見ぬふり」というのはどこか嫌な気持ちになるものです。自分の親が90歳を超えて、手を添えて歩くことが増えた昨今、こういう光景が気になって仕方ありません。自分はどうすべきだったのか、他の方の意見なども聞いてみたいものです…。

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from ヤマケイ

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