日刊編集後記


2018/3/7

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先日のボクシング世界戦、ルイス・ネリと山中慎介の試合は、大変後味の悪い結末で終えた。詳細は省くが、ボクシング界の問題はあまりに奥が深い。この試合だけでなく、昨今は体重を守れなかったりドーピングで引っかかる選手が、世界王者にも続出している。統括団体が乱立していて、体重別もあまりに細かくなり、さらに「世界チャンピオン」にも様々な名称の地位を設けて、凄まじい数のチャンピオンが存在する。だからルール違反した選手にペナルティが与えられても、ほとんど意味をなさない。昨年ある選手に罰金と無期出場停止の処分が下ったが、罰金を払ったらわずか8ヶ月で解けた。もっと極端な例を見ると、Aという団体から処分を受けても他団体には拘束力はないので、すぐ他の団体の試合に出ている。メディアもすぐ「世界チャンピオン」とか「タイトルマッチ」と呼ぶが、それに値しない試合がいっぱいある。山中が敗れても、日本人だけでも11人の世界チャンピオンがいるが、その名前を全部挙げられるファンは何人いるだろうか?

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from ヤマケイ

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