日刊編集後記


2018/2/25

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平昌の冬季オリンピックが終わろうとしている。前回のこの欄では「冬季オリンピックは新しく採用されていく競技が多過ぎ」と書いた。その感想は大方変わっていないが、スケートの最終種目「マススタート」は、競輪や競馬好きには意外と面白かったかもしれない。男女とも早々に「逃げ」を打つ選手がいたが、彼らはやがて後方集団に飲み込まれていった。競馬の逃げ馬のようにはなかなかいかないらしい。そしてあと4周ぐらいから本格的なレースが開始する。コース取りは激しい。そして女子では、大柄なオランダ選手のすぐ後ろに付けて風よけにした日本の選手が見事な“マーク差し”で優勝。単なる脚力勝負というだけではなく、ひときわ小柄な高木選手の作戦の妙。この辺は競輪に似たレース展開になり、競輪ファンなら大いに楽しめたはず。『車券』ならぬ『スケート券』でも売れば大穴だったろう。新種目も「見ず嫌い」をしてはいけませんな。

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from ヤマケイ

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