日刊編集後記


2018/2/2

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自分は昔から腰が落ち着かないというか、良く言えば「フットワークが軽い」というべきか、見知らぬ土地を訪ねる志向や仕事が多かった。それもひとたびテーマを設けると、“完全征服”しないと気が済まないのである。ボートの24場はあっという間だったが、意外に時間がかかったのは47都道府県行脚である。これは、やろうと思えば簡単ではあったのだけれど、ある時から意識して『行かない所』を作って、楽しみを先送りにして長持ちさせることにした。そして、もう5年ほど前になるが、最後に行った県は山形県。これにはもちろん理由がある。酒田市に土門拳というカメラマンの記念館があって、ぜひそこに最後に行きたかったからだ。これは正解だった。同氏の記念館はもちろん、羽黒山への参拝、クラゲの水族館や即身仏など、庄内地方だけでも見るべき所は沢山あり、食べる物は極上だった。惜しむらくはギャンブル施設がひとつもないことか。かつては上山競馬があったのだが、廃止されてもう14年たつ。各地の“草競馬”はどんどんなくなってゆく。今、行っておかないと消えゆくであろう、地方のギャンブル施設は少なくないのだ。

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from ヤマケイ

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