日刊編集後記


2017/5/21

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昨日と今日、二夜でボクシングの世界戦が6つも組まれ、そのうち5つはフジテレビ系列で放映されます。そして昨夜のメイン、村田諒太のミドル級戦で判定を巡って大騒ぎになっていますね。私個人の意見をつぶやくとすれば、「ラウンドシステムの弊害が出たのでは?」と思います。ファンの方ならご存じでしょうが、「ラウンドシステム」は、12R各回で差をつけるよう義務化されている規定です。ごく簡単にいうと、ラウンドが全くの互角に見えても「10対10という判定はつけてはいけない」ということです。この基準で行くと、ダウンを取ればまず確実に10対8ですが、ダウンを取らない限りほぼラウンドを一方的に制しても10対9なのに、微差あるいは互角と思えても10対9をつけなければなりません。だから試合を終えてのダメージやイメージと、12回個別につけた判定に大きなズレができてしまうのです。昨日の村田の試合はその典型だったといえるでしょう。判定に言い訳をしない村田本人の態度は立派だと思いますが、その裏で動くマネーの大きさや評判もまた、世界での注目度が高いミドル級だけに極めて複雑。これからの動向に注目したいと思います。そして今晩のW世界戦も気持ちのいい試合になることを祈ってやみません。

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from ヤマケイ

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