日刊編集後記


2015/10/1

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日本の中古車が世界中で走っているのは、もう20年以上も前からだと思うが、同じ“中古車”でも電車の中古車両が世界中で人気なのだそうである。知り合いの経済紙記者で鉄ちゃんの友人によると、アジアの各国を中心に、何と地球の裏側のアルゼンチンでも日本の昔の地下鉄車両が活躍中だという。日本製の車両は、とくに空調が優れていて、中古になっても、そして高温多湿な国でも音を上げないのだそう。それに非常時のシステムなども他国の製品の追随を許さぬという。しかし自慢してばかりはいられない。ヨーロッパのいくつかの都市では日本より環境配慮の志向が強く、中心街から自動車を締め出している。そして自動車の代わりに、町中の移動手段として利用頻度が高くなったのが路面電車で、新たな車両がどんどん開発されている。そしてその“お古”が日本でも使われているという。だいぶ前だが、長崎の市電にポルトガルのリスボンで使われていた車両が導入されたことがあると聞いた。中古であってもリサイクルで使えるものは使った方が、そのモノにも愛着が沸いていいことだと思う。

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from ヤマケイ

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