日刊編集後記


2015/9/25

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いやまあ、おとっつあんは、この10日間ほどエライ目に遭っておりました。風邪だかなんだかわからんのですが、1日じゅう微熱が続いて、夕方からはグングン体温が上がり、38度、下手すりゃ39度にまでなり、熱はまだしも身体が痛いのがストレスで、毎晩ヘロヘロで床に就くという状態が続いてましただ。銀色週間なる5連休の期間中も回復せず、何がシルバーだ、と毒づき、ヤングダービーの開催さえ忘れそうになった次第です。

その間、珍妙なことが起きました。

ちょうどシルバーウイークが始まる金曜日の夜のこと。自宅に帰りつくと、家人は友人と飲みにくとの伝言が置いてあり、はあそうですかと、ひとりで夕飯を少々食べ、なんとか風呂に入りましただ。酒を飲み、ヘロヘロと寝ようとしたところ、家人から電話があり「今からカラオケ行くから合流しないか?」という。もちろん「どんだけ熱があると思ってるんだ!」と無視し、布団に潜り込みました。

数時間後。家人が帰ってきた気配で目を覚まし、身体が汗でビショビショなので着替えてから水を飲み、再び布団に戻り枕を整えようとしたところ…。

枕元に何かいる。

「さッ、さかなさかなさかな~ッ、魚がぁぁぁぁぁぁ~!」

真夜中に絶叫してしまいました。

いやあの、先ほどまで私が寝ていた枕のそのすぐそば、つまり、私の首が位置していたであろう場所に、魚が、え~と、本物の魚がですね、4、5匹、転がっていたんす。最初は、そんなもんが家の中にいるはずはないので、イモリかヤモリかと思ったんですが、月明かり(てか街灯の明かり)の下、じ~ッとみると(と言っても一瞬ですが)やっぱり魚。

家人が何を大声出しているのかと文句を言うので、

「魚が寝てる~ッ!」

何わけのわからないこと言っているのよと、私の枕上にあるタオルを家人が引っ張ると、なんと、さらに何匹かの魚が現れ、おとっつあんはたまらず「うギャー!」とのけぞってしまいました。

家人は、なにコレッ!と怒鳴ったあと、一瞬間を置いて急に笑い出しました。

頭がおかしくなったのか、と、私は身構えました。しかし、家人は解説を始めました。それ以下の様なものでありました。

オメーはアイスノンを使っただろ?
(私:見れば分かるじゃん、ここんとこ、毎晩使ってるじゃんか)
でもって、ちゃんと見ないでアイスノン使っただろ?
(私:見るも何も間違えるわけないじゃんか)
大方、冷凍庫から出してそのままタオルに巻いて使ったんだろう?
(私:はあ、当たり前じゃんか…)
アタシは数日前にウルメイワシを買ってきたんだよ。だけど数が多かったので半分は冷凍しておいたんだよ。
(私:…)
多分、そのウルメイワシの上にアイスノンがあったんだろう。オメーはぼ~っとして、それがくっついたまま気付かずにタオルに巻いて使ってたんだろ。大事なツマミをダメにしやがって、このボケ!

流石に理解しました。確かに冷凍した物どうしはよくくっつきますからね。でまあ、前の晩使ったアイスノンを、あまり考えずに冷凍庫に入れておいたのもおとっつぁんです。

イワシが崩れ出てきたのは私が起きた際のようで、枕や布団にイワシが刷り込まれるような状態にはなっていなかったのが不幸中の幸い。にしてもまあ、数時間の間、額や頬、後頭部、首筋、脇の下や股の間に、タオルを巻いたイワシ付きアイスノンを擦り擦りしていたわけで、よくぞ保ってくれた。でなけりゃ、イワシ臭いシルバーウイークを過ごす羽目になっていたはずで…。

おかげさまで、本日になって体調も回復傾向です。

皆さんも、くれぐれもご注意ください。アイスノン、じゃなくてイワシ、でもなくて、体調管理に。

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from 呆

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